2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246022
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩行 正憲 Osaka University, レーザーエネルギー学研究センター, 教授 (10144429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長島 健 大阪大学, レーザーエネルギー学研究センター, 助教 (60332748)
小関 泰之 大阪大学, 工学研究科, 助教 (60437374)
宮嵜 博司 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00134007)
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Keywords | メタマテリアル / 負の屈折率 / テラヘルツ波 / 酸化チタン / スーパーインクジェットプリンタ / ワイヤーグリッド |
Research Abstract |
メタマテリアルとは、電磁波の波長の10分の1程度の大きさの要素を配列した人工構造物で、自然界では得られない有効誘電率や有効透磁率を有する物質のことである。本研究では、これまで研究代表者らが蓄積してきたテラヘルツ技術とメタマテリアルを融合して、新しいタイプのメタマテリアルを開発し、テラヘルツ技術の応用分野を拡大することを目的としている。 負の透磁率や負の透磁率を得るために、通常は金属微細要素を並べた構造を作製する。しかし、吸収や異方性の問題を克服するのが困難である。本研究では、微小誘電体立方体を並べることによって負の透磁率や負の屈折率を得ることを試みた。このための材料として、テラヘルツ帯ではTiO_2が最適であることを見出し、2次元の配列をセラミックシートプロセスとダイシングにより作製した。テラヘルツ時間領域分光法により、複素透過スペクトルと複素反射スペクトルを測定し、これらの値から有効誘電率と有効透磁率を導出した。その結果、それらが負になる周波数領域が存在することを見出した。単一の大きさの立方体のみでは、誘電率と透磁率が同時に負になる周波数領域は得られないが、2種類の立方体の大きさを適当に選択すると、両者が同時に負になる(即ち、負の屈折率)周波数領域が現れることをシミュレーションにより見出した。これは、テラヘルツ領域での誘電体を用いた最初の負の屈折率メタマテリアルである。 金属薄膜構造については、ワイヤーグリッド構造にわずかなカットを周期的あるいはランダムに導入することにより、有効誘電率が金属的から絶縁体的に転移することを実験的に見出した。試料は市販のプリンタと金属カラーインクを用いて作製したが、より、精度の高い試料を自在に作製するために、ミクロンオーダーの描画が可能なスーパーインクジェットプリンタを導入し、シリコン基板上に金属ワイヤーグリッド構造を作製することに成功した。
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Research Products
(19 results)