2010 Fiscal Year Annual Research Report
生体マイクロ波原子間力顕微鏡の開発及び細胞活性の非侵襲計測
Project/Area Number |
20246028
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
巨 陽 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (60312609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村岡 幹夫 秋田大学, 工学資源学研究科, 教授 (50190872)
細井 厚志 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60424800)
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Keywords | マイクロ波 / 原子間力顕微鏡 / 骨髄幹細胞 / 非侵襲計測 / 細胞活性 / 電気的特性 / 微細加工 / 生体計測 |
Research Abstract |
本研究では、マイクロ波の応答が物質の電磁気物性値に依存する特徴を利用して、サブミクロン空間分解能を有する生体計測用マイクロ波原子間力顕微鏡(AFM)プローブを新規開発し、細胞内物質の導電率および誘電率を同時に計測することによって、細胞の活性を定量的に評価できる技術の確立を目的とした。 本研究において、MEMS微細加工技術により微小寸法のマイクロ波伝送導波線路の開発が可能であることに着目して、液体中でもマイクロ波の伝送、検出ができる生体計測用マイクロ波AFMプローブを開発した。マイクロ波導波路の基板として導波損失の少ないガリウム砒素を用い、微細加工プロセスにより、マイクロ波導波プローブの基本になるAFMのカンチレバーを作製した。またスパッタリングによりガリウム砒素カンチレバーの上下表面に金属膜を蒸着させ、マイクロストリップライン構造の導波路を形成した。さらに集束イオンビーム加工技術を用いて、カンチレバー探針部の導波路を完成させ、マイクロ波を伝送できるAFMカンチレバー、すなわちマイクロ波導波AFMプローブの開発に成功した。さらに、培養した骨髄幹細胞を用いて、細胞内1μm深さ範囲における近接場マイクロ波の計測を行い、75GHz~110GHz帯域のマイクロ波を掃引することにより、特定の共振周波数における近接場マイクロ波の振幅および位相の変化の高精度計測を実現した。測定結果をマッピングすることにより、細胞の表面形状および電気的特性分布をサブミクロン空間分解能で同時に計測することに成功した。
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