2008 Fiscal Year Annual Research Report
密閉雰囲気内で行う光触媒反応と電解作用の援用型特殊加工装置の開発とその特性
Project/Area Number |
20246033
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
土肥 俊郎 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (30207675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒河 周平 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (90243899)
梅崎 洋二 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70038066)
鬼鞍 宏猷 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (90108655)
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Keywords | CMP / 雰囲気制御加工 / 光触媒反応 / 電解CMP / 高圧酸素雰囲気 / 難加工材料 |
Research Abstract |
これまでに筆者らは、高度な次世代型CMP技術の構築を目指し、加工雰囲気を変えられる「密閉型のベルジャー型CMP法」を考案してきた。今年度は、従来の試作したプロトタイプの装置を適用して基本的加工特性を把握し、来年度試作する「両面同時加工方式の“光触媒反応/電気化学的作用を援用した加工環境コントロール型CMP装置"」の骨格決定のための構想を確定すべく検討を行った。これまでの研究から、加工部の雰囲気を変えることによって、様々な難加工材料の高能率化加工できる可能性を見出してきた。 まず、難加工材料の単結晶SiC基板を加工対象として、500kPaの酸素雰囲気下で加工を行ったところ、通常の大気圧下の加工レートよりも増大する傾向にあることを確認した。そして、スラリーにTiO_2粒子を添加し紫外線を照射して加工を試みたところ、大気中では光触媒反応らしき効果は見られないが、「高圧酸素雰囲気」ではじめて通常のCMPの揚合の数倍に相当する加工レートが得られ光触媒反応らしき効果が認められた。このことは、サファイア基板の場合でもその効果が見られた。一方、高圧の不活性ガス雰囲気ではマイナス(加工レート低下)の現象があることが分かった。さらに新しいアイデアとしてスラリー中への気体の溶解しやすいCO_2を雰囲気ガスとして加工を試み、Cu基板を加工対象例に基本的加工特性を把握した結果、スラリー中への溶け込みがあって興味深い化学反応の応用の可能性を見出した。 本提案の新たな加工援用効果を複合化すべく光触媒反応/電解作用を付加した革新的な装置によって、機械的・化学的に安定した難加工材料を、あるいは逆に機械的強度の弱い材料を、高効率に高品位加工の実現を目指す。そのため21年度は、実際の基板材料の平行平面を高精度に加工できる両面同時加工方式も念頭に、新しい装置の試作を行い加工特性を把握していく。
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