2009 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦電磁気現象の根源的解明とトライボプラズマ応用技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
20246035
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 景次 Chiba Institute of Technology, 附属総合研究所, 教授 (60344230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿田 真一 独立行政法人産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究センター, 副研究センター長 (00415689)
渡邊 幸志 独立行政法人産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究センター, 研究員 (50392684)
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Keywords | 摩擦電磁気 / トライボプラズマ / 摩擦帯電発生分布 / トライボプラズマ制御技術 / トライボプラズマ機能性潤滑剤 / プラズマ応用技術 |
Research Abstract |
本研究のうち、面内電磁気の研究においては、電界発光(EL)薄膜発光特性を評価するための光物性評価装置を構築した。さらに、昨年度設計したpn接合型電界発光薄膜、すなわち、多結晶ダイヤモンド基板上にp形ドーピングダイヤモンドとn形ドーピングダイヤモンドを接合した2層構造の薄膜の作成に成功し、この試料のカソードルミネッセンス評価を行い、その発光スペクトルを明らかにした。これらにより、次年度に予定しているEL薄膜を用いた発生期の面内摩擦帯電電位計測という全く独創的な計測技術開発の下準備ができた。 面外電磁気の研究に関してはトライボプラズマの発生分布をパッセンの気体放電理論による解析に成功した。その結果、摩擦帯電による高電界により、大気圧とその近傍の気体圧力ではプラズマ中心は摩擦トラックとプラズマリングの交点でグロー放電によって発生し、空気圧の低下につれてプラズマ中心は次第に摩擦トラックに直角方向の摩擦接触点の両脇に移行し、グロー放電からコロナ放電に変化することを明らかにした。これにより、トライボプラズマ理論は新たな段階に入ったといえる。また、実用上重要な油潤滑下の転がり/すべり接触型二次元光子計測装置を計測可能な状態まで完成させることができた。 プラズマ制御に関する研究においては、電磁場作用によるトライボプラズマ制御装置の基本構築を行ったとともに、絶縁性単結晶基板上へのホモエピタキシャル成長によるBドープ低抵抗層形成のための基盤技術整備を行い、オフ角、オフ方向制御可能な結晶研磨とステップフロー成長を組み合わせたB濃度制御によるプラズマ制御用の高品質エビ成長単結晶厚膜ダイヤモンド試料を作成することができた。また、新機能性トライボマテリアルと潤滑剤の開発ではトライボプラズマこよる固体潤滑剤と油剤の両者の改質シミュレータを構築し、それぞれの次年度改質を可能とした。
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Research Products
(14 results)