2011 Fiscal Year Annual Research Report
摩擦電磁気現象の根源的解明とトライボプラズマ応用技術の開発に関する研究
Project/Area Number |
20246035
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
中山 景次 千葉工業大学, 附属総合研究所, 教授 (60344230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿田 真一 独立行政法人産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究ラボ, 研究ラボ長 (00415689)
渡邊 幸志 独立行政法人産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究ラボ, 主任研究員 (50392684)
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Keywords | 摩擦電磁気 / トライボプラズマ / 摩擦帯電発生分布 / トライボプラズマ制御技術 / トライボプラズマ機能性潤滑剤 / プラズマ応用技術 |
Research Abstract |
接触触面内の研究においては、多結晶ダイヤモンド上にpn接合型電界発光(EL)薄膜を形成するための合成実験およびEL薄膜からの発光スペクトル強度と電界強度の評価実験を引き続きおこなった。EL評価では特に高電圧印可(>50V)で印可電圧と発光強度との関係が大きくばらつき不安定になった。電極の破損が生じたため電極の再形成を含めて評価結果について検討を行う必要がでてきた。これらの膜をトライボ評価するための往復動摩擦試験機の設計と製作を行った。さらに微弱ながらすべり接触面内においてもプラズマが発生することを明らかにした。 接触面外の研究においては、プラズマ制御技術を開発すべく電気抵抗率可変材料の観点から先端球状を有する試験片にすべり接触する基板側の電気抵抗率の影響を観測すべく、"ダイレクトウェハ化法" による大型ダイヤモンド結晶を準備し、絶縁性基板とボロン(B)をドープした低抵抗性基板の2種類を作成し、低表面粗さを実現した。これによって、各々2種類、計測組合せで4種類の試験片を準備することができた。一方、転がり/すべり接触部から放出される光子の二次元像計測を行うことができた。また潤滑油基油にマイクロプラズマを作用させてこれを変質させることに成功し、その成分分析より酸化生成物を検出した。PIC/MC法によりトライボプラズマの理論解析に成功し、電子、02(+)イオン、N2(-)イオン、及びポテンシャルについて二次元分布を理論的に求めることができた。さらに高感度赤外線カメラを用いてトライボプラズマの温度を隙間方向からと接触面に垂直方向からの二方向から計測することに成功し、イオン化した気体分子の温度上昇は1℃未満であり、トライボプラズマは低温プラズマであることを明らかにした。さらに温度分布の動画撮影に成功し、トライボプラズマが接触点より後方に低速では層流として摩耗トラックに沿って流れ、高速では乱流として円周方向にシフトして流れることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初期の研究計画にはなかったトライボプラズマ温度分布を高感度赤外線カメラを借用して計測することに成功でき、さらにシミユレーションによる理論解析により成功し、これまでパッシェンの法則で半理論的に説明してきたトライボプラズマ発生を純粋にPIC/MC法で説明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
潤滑下の転がり/すべり接触におけるプラズマ計測、発生期の電位と電流計測、pn接合電界発光薄膜を用いての未踏の発生期の電位分布計測に挑戦する。今のところ特に問題点は見出されていない。
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Research Products
(11 results)