Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
犬伏 俊郎 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 教授 (20213142)
森川 茂廣 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 准教授 (60220042)
井上 貴浩 岡山県立大学, 情報工学部, 助教 (60453205)
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Research Abstract |
2008年度は,1)把持における手指の内部変形の撮影,2)手指の力学モデルの構築,3)レオロジー変形特性の同定,4)柔軟指操作の三次元力学モデリングを進めた.内部変形の撮影では,MRIを用いて物体を把持しているときの手指の内部変形を計測した.マーカーを埋め込んだ人工的な柔軟指による物体把持を計測し,マーカーの変位を計算した.手指の力学モデルの構築では,組織によって異なる変形特性を考慮して手指のモデルを構成し,有限要素シミュレーションにより物体把持時の指先の変形を計算した.手指と物体との接触ならびに転がり制約を有限要素シミュレーションに組み込み,柔軟指による物体把持・操作のシミュレーションを可能にした.さらに,シミュレーション時間を短縮するために,有限要素シミュレーションをマルチスレッドで実行するプログラムを構築し,またオンラインで物体のメッシュを再構成する手法を考案した.レオロジー変形特性の同定では,物体表面に作用する分布圧力を計測し,有限要素シミュレーションによる計算結果と計測結果の差を最小化することにより,レオロジー変形における力学パラメータを推定する手法を確立した.その結果,線形レオロジーモデルでは十分な推定精度が得られないことを確認し,材料的非線形の導入とパラメータ推定を試みた.柔軟指操作の三次元力学モデリングでは,指先の法線方向変形,接線方向変形,横方向変形を考慮したポテンシャルエネルギーを定式化するとともに,指先と物体との接触によって生じる制約を定式化した.次に,1自由度3指による物体把持・操作の力学シミュレーションを実装した.さらに,実際の1自由度3指による物体の把持と操作を計測し,物体の姿勢を求め,シミュレーション結果と計測結果が定性的に一致することを確認した.計測結果の誤差を評価したところ,計測手法を改良する必要があることが判明した.
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