2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246051
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田 哲治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90107532)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 亮 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 準教授 (90323443)
|
Keywords | 大気圧プラズマ / 揮発性有機物 / 非熱平衡プラズマ / 環境改善 / LIF / ラジカル |
Research Abstract |
5カ年計画の4年次に当たる平成23年度には、高効率プラズマリアクターの開発については、プラズマリアクターの後段に配するオゾン分解触媒である二酸化マンガン担持アルミナ触媒の量をガス流量11/minにおいて3gまで増加させて乾燥空気中100~250ppm存在するトリクロロエチレン分解性能を評価した。この場合においても、放電エネルギー密度が11当たりのガスに50J以上になると残存オゾンが検出され、触媒量をさらに増加させる意義が認められた。また、OHラジカルの影響を調べる目的で、湿度依存性についても検討を行った。触媒を用いる場合には、湿度が高くなるとプラズマリアクターを出た時点でのオゾン量が減少するため最終的な分解効率は低下すること触媒がなければ若干の加湿で分解率向上が認められることを検証した。大気圧プラズマ反応機構の研究では、レーザ誘起蛍光法LIFによって窒素分子N2(A)状態、窒素原子N,酸素原子O,水酸化ラジカルOHの密度や温度を計測することに成功した。特に、放電直後は振動モードで高次に励起されていた各種ラジカルが衝突等で低次に落ちながらエネルギーを放出し、結果として放電後ミリ秒以下の時間で回転温度が増加しさまざまな化学反応が進展する様子が認められた。また、ラジカルの原水から見積もったラジカル密度と分布からは、窒素原子は二次ストリーマで形成され、しかもストリーマ中の密度が1000ppmレベルになることが観測された。一方、窒素分子A状態は、一時ストリーマ中で形成されること、ppmレベルと密度は予想以上に少ないことが実験で見いだされた。また、じさいいに分解実験で使用できるリアクター中でのラジカル挙動も観測を開始したところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実用面においては、有機物分解という観点では、ほぼ目的を達しているが、エネルギー効率の更なる向上を目指して研究を遂行中である。また、反応機構へのアプローチとしては、ラジカルの挙動が初めて実測によって明らかにされつつある。反面、従来の仮設との相違も大きく、今後、更なる検討が必要と思われる。
|
Strategy for Future Research Activity |
分子密度が大きすぎてこれまで殆ど知られていなかった大気圧非熱平衡プラズマの本質が本研究によってやっと見え始めたといえる状況である。そのいm井では、本研究の方向を大きく変える必要はない。但し、最近、プラズマバイオ分野が注目を浴び、特に、プラズマ医療分野が会議後比べて遅れていることが明らかとなり、プラズマ反応機構と医療分野での応用についても今後の大きな課題となりつつあること、申請者の研究は、同分野でも大いに役に立つものと考えられる。本研究は、次年度で終了するため、同分野を含めたプラズマ診断と応用開発の研究が必要である。
|
Research Products
(8 results)