2009 Fiscal Year Annual Research Report
意識下の超並列処理を意識上の逐次処理で統合するVLSI脳モデルシステム
Project/Area Number |
20246056
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
柴田 直 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00187402)
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Keywords | 情景認識 / K-means学習プロセッサ / 二分木階層アーキテクチャ / 画像特徴ベクトル生成プロセッサ / 実時間学習 / 物体追跡 / CMOSイメージセンサー / VLSI脳システム |
Research Abstract |
実世界の一般的な状況における認識で重要な、"Situation Setting"に関する研究を行った。システムが認識処理を実行するためには、いまそのシステムが置かれている環境・状況を正確に把握する必要がある。これがSituation Settingである。これには、目前の情景から部分画像をすべて連続的に取り出し、これを特徴ベクトル化した後、K-means学習によって自動分類するアルゴリズムが有効であることを既に実証してきた。本研究では、これを高速実行する専用プロセッサの開発を行った。大量の部分画像データに対し実時間の高速学習を行うため、二分木構造の階層型プロセッサアーキテクチャを新たに提案するとともに、テスト回路を設計試作してVGAサイズの画像の実時間学習が可能であることを確認した。さらに、入力画像より部分画像の特徴ベクトルを高速生成してこの学習プロセッサに提供するための、新たな特徴ベクトル生成プロセッサも開発した。特に、バッファーメモリの幅を、これまでのものより1ビット増やした65ビット構成とすることにより、演算効率の大幅な向上を達成した。このチップは設計・試作を完了し、動作の実証を完了した。また、動体検知を正確に実行できる、CMOSイメージセンサーも開発した。これは、各ピクセル位置における±1ピクセルの動き情報を、行並列処理で高速に検出できるアナログプロセッサで、これもチップを試作し実測によりその有効性を実証した。また、動物体の追跡をロバストに行うVLSIシステムも開発した。これは対象物体が追跡中にその形状を大きく変えたり、あるいは部分的なocclusionが生じても、対象物を見失うことなく追尾できることを実証した。
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Research Products
(23 results)