2009 Fiscal Year Annual Research Report
有機界面のキャリア輸送現象と有機電子光デバイスの高速化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
20246058
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 裕 Osaka University, 先端科学イノベーションセンター, 教授 (50223970)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶井 博武 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (00324814)
景山 弘 大阪大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50294038)
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Keywords | 有機導体 / 分子性固体 / 電子・電気材料 / 有機発光素子 / 有機受光素子 / 真空プロセス / 溶液プロセス / 有機界面 |
Research Abstract |
高速で動作する有機電子光デバイスの実現を目的とし、主に下記の項目を検討した。 1. 真空プロセスと溶液プロセスの両方の成膜プロセスが可能で、高移動度のアモルファス分子を発光層兼正孔輸送層とした有機発光素子を作製しその発光特性を評価した。今期は真空プロセスで素子を作製し、発光輝度6,000cd/m^2,応答速度7nsの高輝度、高速動作の素子を実現した。 2. ポリフルオレン系のポリマー材料を有機溶媒により分子の配列制御を行い、薄膜層が制御された分子相の有機発光素子の作製を溶液プロセスで作製した。従来のアモルファス相の素子に比べて、薄膜相の制御された素子では、発光効率は約1桁向上し、また応答速度9nsの高輝度、高速動作の素子を実現した。 3. 有機発光素子における素子駆動の解明を行うために、過渡応答特性から発光素子の回路シミュレーションを行い、素子動作の評価を行った。 4. ポリフルオレン系のポリマー材料とポリマー絶縁材料を用いて溶液プロセスにより有機トランジスタを作製し、6種類のフルオレン系ポリマー材料のトランジスタ特性から、両極性の電気伝導特性を見出し、電子と正孔がバランスよく注入される駆動条件においてそれぞれの禁止帯幅に対応するエネルギーの発光を観測し、発光トランジスタを実現した。 5. 有機受光素子に関しては高分子材料ポリ(9,9-ジアルキルフルオレン)およびその誘導体と炭素材料フラーレン誘導体およびその誘導体を用いて、有機溶媒中で混合してスピンコート法により素子を作製した。主にホスト材料の光吸収波長に対応して受光波長の選択ができ、青色から紫色の波長域に受光感度を持ち、80MHzの光信号が受光できることを確認した。
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Research Products
(54 results)