2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246064
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Research Institution | NTT Basic Research Laboratories |
Principal Investigator |
山口 浩司 NTT Basic Research Laboratories, 量子電子物性研究部, 部長 (60374071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永瀬 雅夫 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (20393762)
山崎 謙治 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (40393764)
山口 徹 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 主任研究員 (30393763)
岡本 創 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究員 (20350465)
小野満 恒二 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子電子物性研究部, 研究主任 (30350466)
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Keywords | 電子デバイス / 集積回路 / 新規デバイス / マイクロ / ナノマシン |
Research Abstract |
・素子の結合動作の実現 複数のナノメカニカル素子を互いに連結させた構造はセンサ応用のみならずナノ機械ロジックの実現へ向けても重要となる。2つのGaAs両持ち梁が機械的に結合したナノメカニカル素子を作製し、光照射による熱応力を用いた周波数チューニングにより結合状態を制御することに成功した。これによりナノメカニカル素子間の振動の伝播を制御することが可能となり、結合ナノメカニカル素子の応用上重要な技術となる。また、照射強度の調節による僅かな周波数のデチューニングにより非線形振動振幅に不連続な変化が現れることを見出した。これは非線形結合振動子特有の現象であるが、僅かなデチューニングによってのみ現れることが数値シミュレーションからも示され、本手法による結合状態の制御が結合メカニカル素子のダイナミクスの詳細を探る上でも有用であることが示された。 ・パラメトリック励振・振動検出機構の高効率化 構造依存性に関しては大きな進展はみないものの、パラメトリック励振した二つの位相状態の安定性についての評価が大きく進んだ。具体的には、外部より人為的に印加したノイズに対して、どの程度の頻度による2つの状態間の遷移が起きるかを詳細に調べることにより、二つの位相状態の安定性と、加振周波数の関係を明らかにすることに成功した。 ・エネルギー散逸のメカニズムの解明と制御 光照射によるGaAs機械共振器のQ値制御に関する研究が進展した。光起電力効果により生み出される圧電応力を用いてGaAsカンチレバーのQ値制御や自励発振が可能となることを見出し、そのメカニズムを解明した。具体的には、変形ポテンシャル効果による変位依存光吸収と、光励起キャリアが生み出す圧電効果によるバックアクションにより、振動振幅の増幅と減衰制御が可能であることを示した。 ・その他、ナノ機械構造の新しい作製技術や、高スループットのナノ構造作製技術、微小変位検出技術などにおいて、進展を見た。
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Research Products
(38 results)