2010 Fiscal Year Annual Research Report
自律分散制御無線情報ネットワークとその展開に関する研究
Project/Area Number |
20246067
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
吉田 進 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50026324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 英一 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (60252475)
山本 高至 京都大学, 情報学研究科, 助教 (30423015)
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Keywords | 自律分散制御 / 無線通信 / マルチホップ / アドホックネットワーク / 移動体通信 |
Research Abstract |
自律分散無線ネットワークは,無線通信チップ搭載機器が溢れ遍在する次世代情報通信ネットワークにおいて必要不可欠な構成要素となる.したがって,その基本特性の解明並びに所望のQoS(Quality of Service)を満たす効率的なネットワーク構築手法の確立は喫緊の課題である.平成22年度の主たる成果は次の通りである. (1)連携送信や双方向協力通信のための送信スケジューリング方式を提案した.具体的には,連携送信に関しては,既存のFFR(Fractional Frequency Reuse)方式というチャネル割当方式に加えて基地局連携をさせる基地局を適切に選択することで,特にセル端でのSN比が低い条件で高いスループットが達成できることを明らかにした.また,双方向協力通信においては,方向によって流れるトラフィックが異なることが多いが,この情報に基づき,用いる中継局を切り替えることで高いスループットが達成できることを明らかにした. (2)コグニティブ無線への展開として,電力及びチャネル(周波数や時間など)からなるリソース制御方式を提案した.具体的には既存のポテンシャルゲームに基づくリソース制御方式を拡張し,特に優先度の異なる通信が共存する場合に,高優先度側に与える干渉を下げられることを確認した. (3)ソフトウェア無線機USRPを用いたコグニティブ無線の基礎実験として,特に協力スペクトルセンシングの実装を行い,屋外で実際に電波を発射する伝送実験を行った.その結果,コグニティブ無線に不可欠である信頼性の高い送信可否判断が可能となり,要求されるセンシング感度が緩和可能であることが明らかとなった.
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