2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246069
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小杉 幸夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (30108237)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都 有昭 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (90345356)
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Keywords | ハイパースペクトル画像 / 農業リモートセンシング / 葉面積指数 / ナラ枯れ / ガン組織検出 / 虚血検出 / 腹腔鏡下手術 / 社会の安全・安心 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引きつづき農林業および各自治体、医療現場等のニーズを考慮しつつ、以下4項目について、各現場の研究者の協力のもとにハイパースペクトルデータの取得、特徴量抽出演算の最適化、現場ニーズに合わせた画像表現の提示方式の検討を行った。 1.ハイパースペクトル画像データの取得 庄内平野における水稲・大豆、最上川流域のナラ枯れ被害林について、ハイパースベクトル観測を実施した。特に、無人ヘリコプター搭載のハイパースペクトル計測の結果、現在農業現場で多用されている接触型の葉色計の測定値(SPAD値)を上空からの観測で、効率良く推定できる指標を得た。 2.安全・安心を担保するための各種観測指標の導出 調査波長域を可視・赤外のみならず、悪天候でも調査可能なマイクロ波領域にも拡大し、航空機搭載センサや衛星搭載の各種センサからの情報を如何に「安全・安心」を担保する指標に結び付けていくか、土壌水分などの実データをもとに検討を行った。 3.植物の枯死プロセスの定量化 植生の退行は植物のダメージの受け方によって、スペクトル上では異なった変化を呈する。これらを特徴空間内の変化として定量化することで、ナラ枯れ等の森林被害の初期段階での検出を目的として、ナラ枯れ指数を提案した。また、この指数が瓦礫や流木などの検出にも転用可能であることから、東日本大震災の被害地域の衛星画像に適川し、被害域の画像化を試みている。 4.組織固有の識別演算の最適化 内視鏡下手術時の限定視野について対象臓器の探索や組織病変の検知が容易になるように波長間の演算の最適化を行い、ブタの腹部組織の虚血状態を画像化することができた。また、今年度は東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認を得て、胃がん切除組織標本についても、赤外ハイパースペクトルデータの取得・解析を進め、ガン組織を抽出するのに有効と思われる指標を提案した。
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Research Products
(8 results)