2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246070
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
前澤 正明 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, エレクトロニクス研究部門, 研究グループ長 (40357976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦野 千春 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測標準研究部門, 研究員 (30356589)
平山 文紀 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (10357866)
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Keywords | 計測工学 / 超伝導回路 |
Research Abstract |
本研究は、単一磁束量子デジタル/アナログ変換器と誘導分圧器を主構成要素とする量子交流電圧標準のシステムの開発を目標とする。平成20年度には以下の成果を得た。 (1)デジタル/アナログ変換器の開発:10ビットデジタル/アナログ変換器を試作し、低速機能試験で完全動作を確認できるチップを得た。しかし、10MHz駆動波形合成実験においては、主として測定システムの不調により、目標とする帯域1kHzの正弦波合成には至らなかった。測定システムの不調は被測定回路の規模が増大し測定電流が著しく増加したことに起因すると考えられるため、平成21年度は測定システムの改造を実施する。また、回路方式の検討においては、バイナリコード入力による現行の変調方式では電圧レベル切り替え時の過渡現象による出力電流の流出のため精度低下のおそれがあることを明らかにした。これを改善するために、高出力電流化した新型出力回路を設計試作し基本動作を確認した。回路作製プロセスに関しては、超電導工学研究所との共同研究を開始し、研究効率向上を図るため、作製プロセス共通化の議論を進めた。 (2)誘導分圧器の開発:量子交流電圧標準用誘導分圧器のプロトタイプ一号機を試作した。動作確認のために、市販の高精度発信器の出力を分圧し、ジョセフソン接合アレイを外部変調して発生した振幅10mVの正弦波電圧との比較を行った。誘導分圧器の基本動作を確認し、市販の高精度発信器の出力電圧の振幅安定度は1kHz帯において高々三桁程度であることを示した。誘導分圧器を用いた交流電圧の精密昇圧については、システム全体の方式の検討を行い、周辺回路の設計に着手したが実証実験には至らなかった。
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Research Products
(3 results)