2009 Fiscal Year Annual Research Report
高サイクル荷重と環境作用を同時に受けるコンクリート構造のマルチスケール耐久性力学
Project/Area Number |
20246073
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前川 宏一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (60312972)
半井 健一郎 群馬大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10359656)
長井 宏平 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任講師 (00451790)
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Keywords | 耐久性力学 / 高サイクル疲労 / 移動荷重 / マルチスケール / コンクリート構造 / 非直行ひび割れ / 環境作用 |
Research Abstract |
(1)多方向非直交固定ひび割れモデルの高度化 主応力軸が回転する状況での繊維補強コンクリートを含むセメント系複合材料の応答から,疲労構成則の検証を推進した。さらに水分と微細ひび割れ間の応力伝達システムのモデル検証を推進した。繊維補強コンクリートでは,繊維配向と多方向分散ひび割れと主応力軸の三者関係を実験から明らかにし,せん断応力伝達機構を改善させた材料開発を進めた。 (2)水分-腐食速度-ひび割れ-疲労荷重の連成解析システムの構造挙動による検証と改良 数値解析モデルの構造―材料―環境連成解析システムを実橋梁に適用し,システム全体の検証と改良を実施した。30年近く供用されている実橋梁上部構造の疲労及び劣化モニタリング結果から,線形クリープ則と乾燥収縮モデルでは実たわみを過少評価するが,本システムでは,ほぼ正確に予測できることが示された。鋼―コンクリート合成道路床版にも寿命推定モデルを適用し,専ら輪荷重走行実験によって求められてきた疲労応答特性と比較・検討を行った。 (3)水中移動荷重を受ける部材の応答解析と長期微量成分溶出のモデル化 水中および粘性流体中にあるコンクリートひび割れ挙動と損傷の非線形応答の詳細分析を通じて,高サイクル荷重と環境作用を同時に受けるコンクリート構造のマルチスケール耐久性力学の中核技術のレベルアップを図った。水分と疲労荷重に伴うひび割れの開閉から,カルシウム・ホウ素等の微量成分も加速されて溶出することが分かり,新たにセメント・フライアッシュからのホウ素溶出と,溶出された成分の再吸着をモデル化して,当該システムを地盤系にまで拡張を図った。
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Research Products
(4 results)