2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20246075
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 強 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20333833)
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Keywords | 自然災害 / 複合災害 / 復旧過程 / 大規模数値計算 / 非線形解析 / マルチエージェント / オブジェクト / 統合化 |
Research Abstract |
統合自然災害シミュレーションシステムとは,災害シナリオに応じて,都市に生じる災害・被害と被害対応を数値計算によって予測するシステムである.地理情報システム(GIS)を使って都市や構造物の解析モデルを作成し,災害・構造物応答,被害対応を計算し可視化する.10kmオーダー四方を1mオーダーの空間分解能で離散化される地盤モデル,最大100万棟のオーダーに達する都市内構造物を最大10,000のオーダーの自由度で離散化される構造物群モデル,最大100万オーダーの住民をモデル化したエージェントを使うため,統合自然災害シミュレーションの数値計算は大規模となる.計算効率の向上は必須であり,高性能計算(High Performance Computing,HPC)を行う.HPCとして,PCクラスタを用いた並列計算を採用した.この並列計算は,共有メモリと分散メモリの使用を前提としたハイブリッドの並列計算である.具体的には,物理過程と非物理過程の解析手法のコードにMPIとOpenMPの並列化を実装した.平成22年度の繰り越しの成果として,構造物地震応答シミュレーションと群衆避難のマルチエージェントシミュレーションのHPCが可能となった.構造物地震応答シミュレーションでは,構造物一棟一棟の応答を,隣接する構造物との相互作用を考慮せず独立して計算するためembarrassing apparelの並列計算が可能である.しかし構造物の解析モデルの規模が一様でないためload balanceをとることは単純ではない.CPU負荷を予想することで,適切なload balanceを継続的にとることに成功した.マルチエージェントシミュレーションでも同様にload balanceを取ることが難しい.virtual topologyのアルゴリズムを利用し,エージェントの密度を考慮した対象都市を仮想的に分割することでload balanceを取ることに成功した.分割は動的に行われる他,分割された領域の境界に「のりしろ」となる領域をとり,エージェントの領域移動が支障なく行われるようにしている.
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Research Products
(12 results)