2011 Fiscal Year Annual Research Report
ペルフルオロ化合物の都市環境域内での動態解析とヒトへのリスク低減シナリオ提案
Project/Area Number |
20246086
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤井 滋穂 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (10135535)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 周平 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (00378811)
原田 英典 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (40512835)
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Keywords | ペルフルオロ化合物 / 分析法 / 水環境中動態 / マスフロー / 上下水処理場 |
Research Abstract |
平成23年度は、本研究に関して、査読論文5編、口頭発表8編の研究成果を発表した。大気中の含有量モニタリングでは、ガスクロマトグラフ質量分析法(GC-MS)による3種類のフッ素テロマーアルコール(8:2FTOH,6:2FTOE,4:2FTOH)の定量条件を明らかにした。また、京都市における降水中のPFCsの分析を計7回行った結果、PFHxAを0.25-10.96ng/L、PFHpAを0.21-2.93ng/L、PFOAを0.18-6.60ng/L、PFNAを0.22-6.06ng/L、PFDAを0.09-0.69ng/L、PFUnDAを0.09-0.37ng/L、PFDoDAを0.12-0.49ng/L検出した。降雨によっては、通常の50倍程度高い濃度でPFCsが検出されることもあり、風向き、風速、降雨強度別により詳細なデータを蓄積する必要がある。産業社会動態解析では、特許情報を用いた化学物質の用途探索手法の検討を行った。特許情報を元に、PFOSの用途および関連製品の探索を行った結果、18の用途と1,589の関連製品を特定した。探索の結果を、既存の調査結果と比較したところ、一致する用途が見られた上に、未だ報告されていない用途も存在した。また、数量的にも多くの結果を得たことから、検討した方法論は、PFOSをはじめとする汎用性の高い化学物質の用途を網羅的に探索できることが明らかになった。さらに、規制対応動向の調査では、企業からの個別情報を元に定量的な議論を行うことが難しいことも明らかになった。そこで、社会的統計データを用いたマクロレベルでのPFOS量に関する議論を半導体(フォトレジスト)を事例に行った結果、産業連関表(2000)にある401部門のうち、54部門において間接的なPFOS利用が認められ、部門によるPFOS量の多寡を把握することができた。
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Research Products
(19 results)