2008 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ-マイクロ多重積層構造を利用した耐熱セラミックスコーティング
Project/Area Number |
20246097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
香川 豊 The University of Tokyo, 先端科学技術研究センター, 教授 (50152591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 功徳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 助教 (20447329)
劉 玉付 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (80354223)
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Keywords | セラミックス / コーティング / 積層材料 / 熱反射 / 熱エネルギー |
Research Abstract |
平成20年度はナノ積層複合材料の作製条件決定ならびにナノ積層材料自体の緒特性の測定に重点を置く。これらを平成20年度以降のマルチスケール材料に活用するための基盤技術とする。具体的な研究内容は下記の通りである. (1)ナノ積層複合材料の作製プロセス技術: 積層複合材料を作製するためのAl2O3及びZrO2に対応できる、ALD原子堆積装置を完成させた。基材としてはAl2O3単結晶(サファイア)を用いた。最大寸法は50mm角とした。Al2O3には/Al(CH3)3やAl(C2H5)3、ZrO2にはZr(C3H9O)4などを検討した結果、Al(CH3)3とH2Oを原料として用いた。プロセス温度は室温~200℃とした。 この他に、酸化物セラミックスとして必要に応じてY2O3、TiO2、HfO2、SiO2なども検討した。 (2)コーティング層のキャラクタリセッション: コーティング層の結晶性をTEM回折パターン、X線回折で調べた。層の均一性(厚さや組成)についてもAFM(原子間力顕微鏡)やAuger電子分光を用いて調べた。 (3)プロセス条件とナノ積層材料組織の関連性: プロセス条件(温度、時間、ガス濃度など)と得られるナノ積層材料の組織の関連性を調べた。一層のナノ積層材料中に15~25の層を導入する手法を検討した。ナノ積層材料中の各層が0.3-10nm以下で制御できることを透過型電子顕微鏡(TEM)観察により確認した。特に、材料間界面近傍での状態を詳細に調べた。成膜速度の条件も詳細に調べた。 (4)ナノ積層材料構成と諸特性の関連性: 次年度以降、積層材料の諸特性を調べるための試験方法等についての調査を行った。 (5)積層複合材料コーティングの設計: ナノ積層材料の光学特性を用いてλ/4厚さで光の干渉を利用する積層複合材料コーティングの設計を行った。
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