2009 Fiscal Year Annual Research Report
3D/4Dマテリアルサイエンスのための新しい結晶方位イメージング手法の創製
Project/Area Number |
20246102
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
戸田 裕之 Toyohashi University of Technology, 工学部, 教授 (70293751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正和 豊橋技術科学大学, 工学部, 講師 (20378243)
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Keywords | CT / 構造材料 / 破壊 / 画像処理 / 放射光 |
Research Abstract |
今年度は、申請者が発案し昨年度の実験解析によりその精度向上と数万個レベルの分散粒子追跡実現が達成された多結晶材料内部の結晶粒界トラッキング技術を利用した実験により、本研究で目的とする技術開発の為に必要な基礎データを取得した。 高輝度放射光施設SPring-8のイメージングビームライン(BL20XU)で単色光を用いた投影型マイクロトモグラフィー実験を行い、当研究室で開発したその場観察用特殊材料試験機を用い、アルミニウム合金をモデル材料にして外乱下のミクロ組織を連続的に3D撮影した。次に、結晶粒界にガリウムをドーピングし、結晶粒の形状を高精度で再構成した。これと並び、同じ試料に対しペンシル型(断面10μm×10μm)のビームを走査し、かつ試料を360°回転させながら回折斑点を取得する実験を行った。撮像範囲の中の適当な1断面に対し、結晶粒形状と回折斑点の相関を得るための解析を行った。また、相関性解析の際に参照する正解を得るため、欧州の高輝度放射光施設ESRFにてRisoの協力の下、3D-XRD法による実験解析を行った。 結晶粒に関する情報では、結晶粒サイズやその形態の複雑さを表す指標を設定した。また、回折斑点に関する情報としては、斑点のサイズ、強度、強度の分布を表すようなパラメーターを、濃度ヒストグラム法、同時生起行列法で10以上求めた。これに加え、ペンシルビームを用いることによる位置の計測情報も合わせ、結晶粒情報と回折斑点情報の相関性を解析した。結果として、相関係数が大きなパラメーターのペアー3,4セットを決定することに成功した。これらに基づくシミュレーションにより、採用したパラメーターのペアーによれば、ほぼ100%の正答率と高い結晶方位角計測精度にて意図する手法を実現可能と判明した。残る2年間の開発で所定の成果を挙げることが出来る目処がついたものと判断する。
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