2011 Fiscal Year Annual Research Report
3D/4Dマテリアルサイエンスのための新しい結晶方位イメージング手法の創製
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20246102
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
戸田 裕之 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70293751)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正和 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20378243)
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Keywords | CT / 構造材料 / 画像処理 / シンクロトロン放射光 / 結晶方位 / 3D/4Dマッピング / 結晶イメージング / 歪みマッピング |
Research Abstract |
X線トモグラフィーによる可視化実験前にペンシル型(断面10μm×10μm)のX線細束ビームを走査し、かつ試料を360゜回転させながら回折斑点を取得する3DX線回折実験を基本とする。撮像した領域内に含まれる結晶粒の形状を3Dおよび4D(3D画像の連続取得)の形で表現できる結晶粒界追跡法(GBT)はすでに昨年度までに開発を終わっている。GBTで得られた結晶粒に関する幾何学情報と3DX線回折実験で得られるX線回折斑点を結び付けるプログラムの作成は、昨年度までに80%以上のプログラミングが終了し、残りの統計的な解析のパートの構築を進めた。この手法は、X線回折援用GBT (DAGBT)と称している。昨年検討した結晶粒界像と回折斑点を結び付けるための各種パラメーター、即ち、結晶粒サイズやその形態の複雑さを表す指標、および斑点のサイズ、強度、強度の分布を表すようなパラメーターを濃度ヒストグラム法、同時生起行列法で求めたもののうち、結晶粒形態と回折斑点の持続範囲の対応、および回折斑点の起点と結晶粒の重心位置の近さを主に用いた統計学的対応付を完成した。これらを用いれば、ほぼ100%の正答率と高い結晶方位角計測精度が得られることを確認済みである。プログラムは数学のパッケージソフトウェアーであるMATLAB上で統合プログラムとして完成した。 本年度は、上記プログラムを検証する目的の画像を得る放射光実験も1度実施した。このデータを用いたプログラムのバグ取り、検証などを行うと共に、材料学的にどのような威力があるかを示すデモンストレーター実験ともした。構築した手法により、結晶粒の可視化、結晶方位の特定が可能となり、現在材料工学で多用されるSEM-EBSP法の3D/4D版とも言える次世代の解析技術を創生することが出来た。
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