2009 Fiscal Year Annual Research Report
温室効果ガス排出量半減を達成する極限製鉄プロセス原理の創生
Project/Area Number |
20246111
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
葛西 栄輝 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (50134044)
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Keywords | 二酸化炭素排出削減 / 酸化鉄還元反応 / 高結晶水鉱石 / 還元材資源 / 複合原料粒子 |
Research Abstract |
平成20年度引き続き主要鉱石種の詳細キャラクタリゼーションを行うともに、設計した高圧還元実験装置を作製し、試運転および高圧条件での一連の還元材-鉄鉱石コンポジットの還元実験を行った。 1)主要鉄鉱石・還元材資源のキャラクタリゼーション 還元材試料は揮発成分の異なる石炭とバイオマスチャー、グラファイト試薬を選択し、各炭材のガス化および揮発成分の発生挙動を調査し、低温で乾留したバイオマスチャーが最も低温でガス化が開始することや揮発成分を多く含有することを確認した。南米系(ヘマタイト系)1種、豪州系(マラマンバ、ピソライト系)4種の鉄鉱石の鉱石種に特有な結晶水分解挙動を調査し、豪州系鉱石は400℃での脱結晶水処理により比表面積が増大し、含有結晶水量の増大と共に、比表面積は増加することを確認した。 2)高圧還元実験装置の作製と試運転 20年度に設計し、21年度に設計を修正した高圧特殊雰囲気炉(還元実験装置)を作製し、90atmで1400℃まで昇温可能であることを確認した。また、昇温速度10℃/minでの還元試験が可能であることも確認した。 3)広い圧力範囲でのコンポジット還元実験 Graphite-ヘマタイト鉄鉱石の組合せでのコンポジットの還元実験を行い、昇圧による還元促進効果を確認した。例えば、1050℃まで昇温速度10℃/minで加熱した際、常圧においては16%であった還元率が80atmで実施すると65%まで増加した。また、生成した金属鉄の触媒効果によるガス化開始温度も圧力増加と共に低温化した。得られた結果をもとに、高圧条件において還元反応を促進する因子抽出を行った。
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