2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁性細菌のバイオミネラリゼーション機構を利用した高機能ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
20246119
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10134834)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新垣 篤史 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (10367154)
|
Keywords | バイオミネラリゼーション / バイオミメティクス / 結晶核形成 / 微小反応場 / 高保磁力磁性材料 / 機能性ペプチド |
Research Abstract |
これまでに磁性細菌のマグネタイト磁性粒子から結晶核タンパク質Mms6を発見し、これを用いた磁性ナノ粒子の形態制御技術を確立した。そこで平成20年度は、当該技術をさらに発展させ、結晶核形成分子の改変による磁性ナノ粒子の高機能化及び、高度に制御された微小空間内での磁性粒子の合成を行うことを目的とし、研究を行った。まず、Mms6タンパク質の分子レベルでの鉄イオン認識機構の解明に向け研究を行った。Mms6の各領域にペプチドタグを発現し、金ナノコロイド標識した抗体を用いて磁性粒子上におけるペプチドタグの局在評価を行った。その結果、酸性アミノ酸が連続したC末端領域が結晶内に存在しており、この領域が鉄イオンと相互作用し、結晶核形成部位として機能している事が示された。さらにMms6の結晶核形成部位を改変したペプチドを合成し、各ペプチド存在下で合成した磁性ナノ粒子の特性評価を行った。Mms6の自己集積化能に寄与していると考えられるグリシン、ロイシンの繰り返し配列と結晶核形成配列を融合したペプチド存在下で合成した結晶において、高い保磁力を持った磁性結晶を合成することが可能であった。また、磁性粒子合成の為の微小反応場としてのリポソームの形状制御の検討を行った。タンパク質濃度やイオン強度、pHなど本反応条件を緻密にコントロールすることで、リポソームの形状を球状及びチューブ状へと自在に制御可能であることが示された。以上の結果より、微小反応場でのシーケンシャルな磁性ナノ粒子合成技術の確立に向けた基礎を構築する事ができた。
|
Research Products
(15 results)