2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁性細菌のバイオミネラリゼーション機構を利用した高機能ナノ粒子の創製
Project/Area Number |
20246119
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松永 是 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10134834)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新垣 篤史 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (10367154)
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Keywords | バイオミネラリゼーション / バイオミメティクス / 結晶核形成 / 微小反応場 / 高保磁力磁性材料 / 機能性ペプチド |
Research Abstract |
平成21年度は、タンパク質の自己集積化能を利用した磁性結晶の形状制御、シーケンシャルな結晶形成反応プロセス構築に向けたリポソーム内へのイオン導入システムの確立、また構築したリポソーム内での磁性結晶合成を行った。はじめに、鉄イオン結合タンパク質の溶液中での分子集合状態の制御に基づいた磁性ナノ材料の合成法の開発を行った。非イオン性界面活性剤を用いて構造を保持するタンパク質を調製し、多角度光散乱検出器、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡を用いて解析した結果、多量体を形成していると考えられる均一なサイズの集合体が確認された。さらに、鉄イオン存在下においてはタンパク質の二次構造が変化し、よりサイズの大きな集合体を形成することが確認された。また多量体を形成したタンパク質を用いて磁性結晶合成を行った結果、単量体のタンパク質を用いた場合とは異なるサイズ、形態を有する結晶が合成された。これらの結果から、鉄イオンの存在によりタンパク質の分子集合状態が制御されることが明らかになり、この制御によって磁性結晶の形態やサイズを制御可能なことが示された。また、リポソーム上に導入された磁性細菌の鉄イオントランスポークーが、添加したATPを駆動力としてリポソーム内への能動的な鉄イオンの取り込みを確認し、さらに同リポソーム内の環境を制御することで酸化鉄結晶の形成に成功した。以上、リポソームという区切られたナノ空間内で結晶形成を行うことに成功し、生体適合性の高い脂質二重膜被覆結晶合成のための基盤技術を確立することができた。
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Research Products
(20 results)