2008 Fiscal Year Annual Research Report
大深度海中小型生物を全自動で探査・採取する海中ロボットの研究開発
Project/Area Number |
20246124
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浦 環 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授 (60111564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
巻 俊宏 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (50505451)
三宅 裕志 北里大学, 水産学部, 講師 (00373465)
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Keywords | クラゲ類 / 深海中層 / 大深度仕様AUV / ステレオビジョン / 自動識別システム / セラミクス耐圧容器 / マニュピュレーション |
Research Abstract |
研究開始年度である平成20年度は、1)2)3)の研究を推進した。 1)ステレオビジョンによる水中クラゲの発見、位置同定、運動制御:クラゲ類は音響インピーダンスが海水とほとんど同じのため、アクティブソナーによる発見は不可能である。光を当てて光学的に発見するか、発光現象を利用して発見するか、2通りしかない。いずれにしても、ロボットの至近距離(せいぜい5m以内)に浮遊する5cm程度のターゲットをテレビカメラで映像として捕らえることをロボットのミッションの第一歩である。ビデオ映像を利用してターゲットに接近し捕獲するには、距離情報や大きさの情報が必要である。そのため、ステレオビジョンによりターゲットの三次元形状と距離を計測するシステムを構築して、クラゲの模型用いた水槽試験で、認識、追跡、捕獲実験をおこなった。また、自動識別システムに使用するクラゲのデータベース構築を推進した。 2)1,000m仕様テストベッドロボットの設計・製作:7,000m級大深度に向かう基礎技術を固めるため、1,000m級海中へ潜航、周囲を浮遊する小型クラゲを自動認識し追跡・捕獲するテストベッドロボットを設計・製作した。クラゲを自動認別、追跡・捕獲するため、潜航浮上に約1時間、海中での滞在時間2時間の稼働時間を満たすエネルギ源を有する、空中重量60kgのコンパクトな艇体を実現した。ロボットは制御系用と画像処理用の2系統のCPUを有する。艇体に上下2機、前後2機の合計4機の推進機(スラスタ)を搭載し、最大移動速度(上下)は0.2m/sec程度、運動性能としてSurge, Yaw, Heaveの機能を有する。マニュピュレーション技術の確立のため、製作したテストベッドにバキューム方式のクラゲ採取装置を装着、水槽において3次元制御試験をおこない制御方法を検証した。 3)7,000m級ロボット用セラミクス耐圧容器の研究開発:大深度海中ロボットの耐圧容器用材料としては高強度・軽比重・耐腐食性をセールスポイントとするチタン合金が用いられることが多い。しかし、本研究で開発するクラゲ捕獲用ロボットでは、軽量化・小型化が不可欠であるため、さらなる局強度・軽量&小型化を目指して、エンジニアリングセラミクスによる7,000m級ロボット用の7,000m超級耐圧容器の開発研究を推進し、小型試作品を製作した。
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Research Products
(1 results)