2008 Fiscal Year Annual Research Report
二酸化炭素処理とエネルギー資源再生を両立させる持続型炭素循環システムの最適化技術
Project/Area Number |
20246128
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐藤 光三 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (60322038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 昌敬 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50190369)
川口 秀夫 東京大学, 大学院・工学系研究科, 寄付講座研究員 (50463873)
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Keywords | 環境技術 / 二酸化炭素排出削減 / 資源開発工学 / 微生物 / 生物・生体工学 |
Research Abstract |
本研究課題では「微生物のガス産生能向上技術による持続型炭素循環システムの最適化」に資するための要素技術の研究と、それを統合した最適化手法の開発を目的としている。平成20年度はそのための第一段階として、地下微生物混在環境下における有用ガス産生挙動の解明を目的とした培養実験ならびに解析を行った。また、炭素循環システム構築のために必要となる貯留層内流動シミュレーション開発に関連して、微生物を含む流体の多孔質媒体内流動に関する貯留層内流動の予備実験を実施した。 1.メタン生成菌・水素生成菌混在環境下における有用ガス産生挙動の解明 複数種微生物の混在環境下でのメタン生成菌・水素生成菌の培養実験を行い、有用ガス産生挙動を種々の環境下(二酸化炭素供給量、温度、圧力、塩分濃度、pHなど)において評価する。秋田県八橋油田において採取された油層水ならびに合成培地を用いた比較培養実験を行い、それらがメタン生成および前段階としての水素生成に及ぼす影響について検討した。油層水と合成培地の成分比較を行い、個々の物質が微生物活性に対して阻害もしくは補助機能を有するかの同定作業を継続して実施している。 2.メタン生成菌の代謝活性制御機構に関する遺伝子レベル解析 二酸化炭素/水素分圧の違いがメタン生成速度に与える影響に着目し、増殖細胞における各段階を触媒するタンパク質をコードする遺伝子の発現量に与える影響を定量的に測定し、得られた遺伝子発現プロファイルと、これまでに解析を行ってきたメタン生成速度や細胞内ATP濃度への影響評価とを合わせて、メタン生成反応の制限制御機構を考察する。現在、遺伝子発現量の測定を継続1て実施している。 3.多孔質媒体内流動に対する微生物吸着の影響に関する予備的実験 微生物の孔隙吸着は浸透率低下の誘因となり得る。また、微生物の固体表面吸着率は流動速度に影響を受けると考えられる。これラを評価するために、ガラスビーズを用いた流動予備実験を実施した。
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