2010 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導トカマク起動のためのECHによる無誘導磁気面形成法の研究
Project/Area Number |
20246133
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前川 孝 京都大学, エネルギー科学研究科, 教授 (20127137)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 仁 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (90183863)
打田 正樹 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90322164)
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Keywords | 磁気面形成 / トカマクの起動 / 電子サイクロトロン加熱 / 超伝導トカマク / 電流立ち上げ / マイクロ波 / 無誘導電流駆動 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の最終年度であり。初年度に整備した実験機器と2年目のアスペクト比R/a=2での実験経験をもとに、主に通常アスペクト比(R/a=3)領域での磁気面形成実験を遂行するとともに、研究をまとめた。具体的な研究成果は以下のとおりである。 (1)既設の3本の70GHz干渉計コードに加え、通常アスペクト比(R/a=3)領域でのトーラスプラズマの電子密度計測のためのミリ波干渉計を新たに整備した。 (2)昨年度の中間アスペクト比R/a=2.2近傍での成果に基づきアスペクト比R/a=3での磁気面形成を試み、成功した。このときアスペクト比設定用可動リミターによりアスペクト比を設定した。比較的低磁場で実験が行える2.45GHzのマイクロ波電力を用いた。 (3)フラックスループの磁気信号を用いて磁気解析を行い、プラズマ電流分布と磁場構造の時間発展を追跡し、磁気面形成過程をしらべた。その結果、このアスペクト比が3である場合も電流ジャンプを経て磁気面が形成されることが分かった。 (4)上記の磁気解析に加えて、軟X線断層像と高速カメラによる可視光領域でも磁気面形成過程を追跡した。磁気面形成にともなうプラズマ像の変化が観測され、確かに磁気面が形成されていることを確認された。 (5)昨年度までの成果と比較するとアスペクト比が上昇するとともに外部垂直磁場の径方向減衰係数を大きくすることが磁気面形成に必要であることが判明した。このことは、トロイダル磁場と垂直磁場で構成される外部磁場構造において磁力線に沿って一定のミラー比が必要であり、マイクロ波によりサイクロトロン加熱された電子のミラー閉じ込めが重要な役割をはたしていることを示唆している。
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Research Products
(4 results)