2009 Fiscal Year Annual Research Report
脂質性シグナル分子産生酵素のパートナー蛋白質の網羅的探索を基盤とした生理機能解析
Project/Area Number |
20247010
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
金保 安則 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00214437)
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Keywords | PLD / PIP5K / ARF6 / 好中球 / 酵素放出反応 / 活性酸素 / エタノール / 脂質性シグナル伝達 |
Research Abstract |
本研究では、脂質性シグナル伝達系の鍵分子であるホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)とホスホリパーゼD(PLD)の各アイソザイムの生理機能を解明することを目的としている。 PLDの各アイソザイム(PLD1とPLD2)のKOマウスと両アイソザイムのダブルKO(D-KO)マウスを作製し、これらのマウスから好中球を単利し、好中球における酵素放出反応と活性酸素産生へのPLDの関わりを解析した。PLD1 KO、PLD2 KO、D-KO好中球においても野生型好中球と同様に、fMLPで促進される酵素表出反応と活性酸素産生が認められ、これらの好中球機能にはPLDは必須でないことが明らかとなった。また、一級アルコールは、PLDによる加水分解反応を抑制してPLDを介するシグナル伝達を遮断することが知られているが、エタノールは、D-KO好中球においても野生型好中球と同様に、fMLP依存的な酵素放出反応と活性酸素産生を阻害することが明らかとなり、エタノールの作用は特異的ではなく、非特異的に好中球機能を攪乱することを示唆した。 申請者は以前に、低分子量G蛋白質のARF6をPIP5Kの活性化因子として同定したが、三種のPIP5Kアイソザイム(A、B、C)のうちPIP5K_BがARF6により特異的に活性化されることを明らかにした。さらに、PIP5K_Cにおいては、そのC末端領域が分子内でARF6との相互作用部位をマスクしており、マスキングの解除によりPIP5K_CもARF6により活性化されることを明らかにし、PIP5K_Cは未同定のパートナー蛋白質により構造変化をしてARF6により活性化されることが示唆される。現在、この未同定のPIP5K_C特異的パートナー蛋白質を探索中である。
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Research Products
(23 results)