2009 Fiscal Year Annual Research Report
イオンチャネルの構造-機能ダイナミクス:ゲーティング構造変化の単一分子解析
Project/Area Number |
20247016
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
老木 成稔 University of Fukui, 医学部, 教授 (10185176)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 真幸 福井大学, 医学部, 助教 (40452122)
清水 啓史 福井大学, 医学部, 助教 (50324158)
今野 卓 福井大学, 医学部, 准教授 (50225637)
|
Keywords | チャネル / 構造変化 / ゲーティング / 構造機能相関 / 一分子計測 |
Research Abstract |
すでに確立した1分子蛋白質構造変化測定法(DXT法)の原理に遡って、実験法の改善を行った。目的は従来の毎秒30フレームという記録速度を各段に上げることである。本法に不可欠な高輝度放射光施設での実験を国内のSPring-8のみならず、フランス(ESRF:ヨーロッパ放射光施設、グルノーブル)とスイス(SLS:スイス光源施設、ヴィリゲン)に展開した。代表・分担研究者4人で高速度カメラなどの高精度装置を持ち込み、各施設に約1週間滞在して実験を行った。各施設とも白色X線源を備えており、さらに、X線の特性を多様にコントロールすることができた。その結果、背景ノイズが減少し、信号雑音比を想像以上に改善することができた。このことで記録速度を毎秒5000フレームにまで上げることに成功した。現在、継続して実験を行い、データを取得中である。一方、研究室レベルの実験では脂質平面膜法により、KcsAカリウムチャネルの単一チャネル電流を記録し、詳細に解析しつつある。脂質平面膜にたった一分子のチャネル分子を再構成するのは決して容易ではないが、この困難な実験を行うことによって重要なゲーティングに関する情報を得ることができた。特にpH依存性ゲーティングに関して、2009年に解明されたKcsAチャネルの全長構造を参考にしつつ、その分子機構を検討しつつある。脂質平面膜法による1分子機能測定と、DXT法による1分子構造変化測定の結果を統合的に解析することによってチャネルの1分子ダイナミクス研究をさらに推進したい。
|
Research Products
(12 results)