2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20247024
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山梨 裕司 東京大学, 医科学研究所, 教授 (40202387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 理 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (50361720)
真嶋 隆一 東京大学, 医科学研究所, 助教 (00401365)
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Keywords | シグナル伝達 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
蛋白質チロシンキナーゼは細胞外環境からの情報が細胞内シグナルへと変換される際に必須のシグナル分子である。代表者は多様なチロシンキナーゼに共通する主要な基質としてDok-1を発見した。これまでの研究から、代表者らが独自に発見したDokファミリー分子であるDok-7が神経筋シナプスの形成に必須のシグナル分子であることや、Dok-1とDok-2が造血系細胞の活性化シグナルの抑制因子として造血・免疫システムの恒常性の維持に必須の役割を果たしていることを明らかにしてきた。本研究はこれらの研究成果を背景に、生体高次機能の制御を司るシグナル伝達機構に新たな概念を賦与しつつ、その全容の解明に貢献することを目的としている。 昨年度までの本研究において、我々はアダプター様分子であるDok-7が神経筋シナプスの形成に必須の受容体型チロシンキナーゼであるMuSKを細胞内から直接活性化する、言わばMuSKの細胞内リガンドとして機能することを発見し、さらに、神経筋シナプスの形成に必須の他のシグナル系とDok-7/MuSKシグナルとの関連を問う解析に着手した。その結果、本年度においては複数のシグナル系についてDok-7/MuSKシグナルとの関連の有無や強度を明らかにすることができた。また、昨年度の研究においてその存在を発見したLrp4抗体陽性の重症筋無力症については、それが、病原性の抗体が不明の重症筋無力症例の約3%程度に認められる新たな病態であることを解明した。他方、Dok-1/2/3の解析においては、それらが、協調的に組織球肉腫の発症を負に制御していることを解明した。これらの知見は、新たな筋無力症の診断・治療法開発や症例数の少ない組織球肉腫の病態解析に大きく貢献するものである。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Mice lacking Dok-1, Dok-2, and Dok-3 succumb to aggressive histiocytic sarcoma2010
Author(s)
Mashima R., Honda K., Yang Y., Morita Y., Inoue A., Arimura S., Nishina H., Ema H., Nakauchi H., Seed B., Oda H., Yamanashi Y
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Journal Title
Laboratory Investigation
Volume: 90
Pages: 1357-1364
Peer Reviewed
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