2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20247030
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 洋幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (80179647)
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Keywords | 左右軸 / 背腹軸 / メダカ / 突然変異体 |
Research Abstract |
本年度では特に左右軸形成異常変異体abcの解析に大きな進展があった。abcはnodal flowは正常だが、下流の左右非対称な遺伝子発現(southpaw、lefty、charon)は異常を示した。abcの原因遺伝子であるpkd111は、様々なセンサーとして働くPKD familyの1つと考えられた。我々は、免疫沈降と免疫染色により、Pkd111がPkd2と複合体を作り、KV上の繊毛に共局在することを示した。さらに、今まで、node上の繊毛にはnodal flowを作る"動く繊毛"と、そのnodal flowを感知する"動かない繊毛"の2種類があるという"two-ciliaモデル"が知られていたが、我々は、高速度カメラ観察と動く繊毛に必須なdynein(Lrd)の免疫染色により、即上の繊毛は全て動く繊毛であることを示した。従って、Pkd111/Pkd2複合体がKVの動く繊毛にあるnodal flow直下のセンサーであることが示唆された。我々は、左右性形成のメカニズムとして新たなモデルを提示したい:KVの繊毛は、nodal flowによってKV内にモルフォゲンの濃度勾配を作りだすと共に、Pkd111/Pkd2を介してそれを感知するという2つの役割を担っていると結論付けた(Kamura et al., Development 2011)。 ktu変異体の原因遺伝子であるKtuタンパク質がダイニン複合体形成のどのステップに関わるかを、免疫沈降法や免疫組織化学でダイニン分子との挙動を調べているが、解像度の問題ではっきりとした結論は得られていない。 Da変異体ではマクロアレーによるZicの標的遺伝子の解析の基礎データを取ることができた。
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Research Products
(7 results)