2008 Fiscal Year Annual Research Report
性染色体領域の解析に基づく「雌雄性の誕生」に関する進化生物学的研究
Project/Area Number |
20247032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野崎 久義 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 准教授 (40250104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西井 一郎 独立行政法人理化学研究所, 和光中央研究所, 独立主幹研究員 (80392059)
関本 弘之 日本女子大学, 理学部, 准教授 (20281652)
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Keywords | 性進化 / 雌雄性 / 性染色体領域 / 群体性ボルボックス目 / 性特異的遺伝子 / 同型配偶 / 異型配偶 / 卵生殖 |
Research Abstract |
メスとオスの誕生、すなわち原始的な同型配偶から雌雄の配偶子をもっ生物への進化は最も興味深い進化生物学上の問題であるが、その分子遺伝学的基盤は不明であった。本研究では性特異的遺伝子およびそれらが存在する性染色体領域の分子・ゲノム・細胞レベルの比較生物学的解析を群体性ボルボックス目の同型配偶から異型配偶・卵生殖の有性生殖の各進化段階の生物群で実施し、「雌雄性」が誕生した分子細胞学的な基盤を明らかにすることを目的としている。本年度は以下のような有性生殖の各進化段階の生物から性染色体領域を探索するためのプローブとなる性特異的遺伝子配列を得ることと性染色体領域のスクリーニングの為のBACライブラリーを構築した。Nozakietal.(2006)で作成した〃10縮重プライマーおよび"OTOKOGI"配列を基にして新たに作成した縮重プライマーを用いたRT-PCR法を実施し、オス特異的遺伝子"OTOKOGI"(MID)オーソログを群体性ボルボックス目の配偶子の各進化段階の生物で探索した結果、卵生殖のボルボックス、異型配偶化直前の同型配偶の生物であることが推測されているヤマギシエラおよび最も原始的な異型配偶のユードリナで配列が得られ、それぞれcDNA配列全長を得た。ボルボックス以外のこれらの生物と既に"OTOKOGI"(MID)オーソログが判明していた同型配偶のゴニウムと、異型配偶のプレオドリナで両方の交配型の株(プラスとマイナス、メスとオス)について、それぞれ、約百kbのゲノムDNA断片を含んだBACクローンによる網羅的なBACライブラリーを構築した。
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Research Products
(20 results)