2008 Fiscal Year Annual Research Report
SAGE法を用いたいもち病菌非病原力遺伝子の網羅的クローニングと変異性の比較解析
Project/Area Number |
20248005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土佐 幸雄 Kobe University, 農学研究科, 教授 (20172158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 良平 財団法人岩手生物工学研究センター, 主席研究員 (50236981)
草場 基章 佐賀大学, 農学部, 准教授 (90304881)
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Keywords | Magnaporthe oryzae / Pyricularia oryzae / Avirulence gene / Rice / blast |
Research Abstract |
日本産イネいもち病菌株Ina168の全ゲノムシークエンスから分泌シグナルを持つ遺伝子をピックアップし、非病原力遺伝子とのassociationを検討した。その結果、イネの抵抗性遺伝子Pia,Pii,Pikに対応する非病原力遺伝子AVR-Pia,AVR-Pii,AVR-Pikと密接に相関して存在する遺伝子を見出した。形質転換実験の結果、これらがそれらの非病原力遺伝子本体であることを確認した。つぎに、これらの遺伝子のいもち病菌集団における分布,塩基配列,座乗染色体を検討したところ,それらのホモログはイネ菌以外にも広く存在すること,とくにイネ菌等栽培植物寄生菌(Pyricularia oryzae)とは別種であるメヒシバ菌(P.grisea),Cenchrus菌(Pyricularia sp.)等の特定の菌株にはほとんどまたはすべての非病原力遺伝子のホモログが集中して存在することが判明した.この結果は,これら3種の共通祖先がすべての非病原力遺伝子を保有していたと考えれば説明できる.また,これら非病原力遺伝子が菌にとって有利に働くエフェクターをコードしているという仮説とも矛盾しない.一方,座乗染色体について検討したところ,AVR-Pitaファミリーは常染色体サブテロメアに存在する場合が多いが,AVR-Pikファミリーでは多コピーのホモログが余剰染色体に集中して座乗する傾向にあることが判明した.
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