2011 Fiscal Year Annual Research Report
SAGE法を用いたいもち病菌非病原力遺伝子の網羅的クローニングと変異性の比較解析
Project/Area Number |
20248005
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
土佐 幸雄 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20172158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺内 良平 財団法人岩手生物工学研究センター, 生命科学研究部, 主席研究員 (50236981)
草場 基章 佐賀大学, 農学部, 准教授 (90304881)
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Keywords | Magnaporthe oryzae / Pyricularia oryzae / 非病原力遺伝子 |
Research Abstract |
1.レースー品種間特異性に関与する非病原力遺伝子のひとつ、AVR-Piztの機能の重要性を評価するため、pyricularia oryzae集団中に存在するホモログの機能解析を試みた。イネ菌の他、アワ菌、コムギ菌等さまざまな菌群のホモログをシークエンスしたところ、P.oryzae集団には、A,B,C,Dの計4種類のホモログが存在することが判明した。それらのホモログの系統樹を作成したところ、保有菌株の系統樹とほぼ一致した。このことから、AVR-Piztは、ほぼ菌の分化と同調して分化してきたことが示唆された。これらのホモログがPiz-tに認識されるか否かを、イネ品種とりで1号(Piz-t保有)のプロトプラストを用いた一過性発現系を用いて検討したところ、程度の差はあるものの、いずれもPiz-tに認識されることが判明した。このことから、AVR-Piztは極めてconservtiveであることが示唆された。 2.菌群-属間特異性に関与する非病原力遺伝子のひとつ、PWT4(エンバク菌のコムギに対する非病原力遺伝子)をクローニングするため、これを保有するエンバク菌Br58と保有しないコムギ菌Br48のリシークエンシングを行い、全ゲノム配列を決定した。さらに、PWT4分離集団のなかからPWT4を保有する48菌系を選抜、DNAを混合し、シークエンスした。得られたゲノム断片を親菌株のゲノム配列にアライメントすることにより、PWT4保有菌系が共通で持っているエンバク菌Br58由来の領域約580kbを特定した。この領域の分泌タンパク質遺伝子を予測した結果、PWT4候補遺伝子と考えられる12個の推定分泌タンパク質遺伝子が得られた。
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