2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20248012
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
内海 龍太郎 近畿大学, 農学部, 教授 (20151912)
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Keywords | two-component system / EvgS-EvgA / PhoQ-PhoP / SafA / B1500 / Bacteria / Signal transduction / small membrane protein |
Research Abstract |
(1) 膜小たんぱく質(SMP) SafAによるセンサーPhoQの活性化機構の解明を目的に、ペプチド合成したSafAのペリプラズム領域(25 aa)とPhoQのペリプラズム領域の直接作用を表面プラズモン共鳴法(SPR法)にて検討したところ、結合が認められた。本ペプチドを大腸菌の培養液に加えるとPhoQ/PhoP系が活性化したことから、SafAのペリプラズム領域単独でPhoQが活性化されることが明らかとなった。また、SafAがEvgS/EvgA, PhoQ/PhoP系を連結することで、大腸菌の酸性環境に対する耐性度が上がることを見つけ、論文発表した(J.Bacteriol. 193, 1222-1228, 2011)。この際、SafA以外に、IraMという二成分制御系(TCS)間を連結するタンパク質の関与もわかり、細菌情報伝達ネットワークと環境適応とを結びつける好例となった。 (2) 大腸菌の29種のセンサーに対して、SMP候補遺伝子15種との相互作用をtwo-hybrid法で検討した結果、YceO, MgrB, FxsA, YibNの4種のSMPがセンサーとの物理的接近を示した。さらに、YibNは、センサーBasSが鉄イオンを感知して活性化する際、BasSの活性を抑制することも見出した。 (3) EvgS/EvgA系のセンサーEvgSが、pH5-5.5と高濃度の1荷の陽イオン(Na^+,K^+)の条件が重なることで活性化することを見出した。また、活性化したEvgSがSafAによって抑制されることも明らかになり、SMPであるSafAが、PhoQを活性化する一方でEvgSの活性を抑制することが示唆された。 今年度は、SafAの作用機構の解明が進むとともに、その生物学的意義の理解も深まった。SafA以外のSMP候補もさらに増え、細菌情報伝達ネットワークの広がりが期待される。
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Research Products
(43 results)