2008 Fiscal Year Annual Research Report
消化管におけるストレス応答とその食品因子による制御の分子基盤解析
Project/Area Number |
20248013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
清水 誠 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30114507)
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Keywords | 腸管上皮細胞 / 炎症モデル / 複合培養 / 抗ストレス作用 |
Research Abstract |
(1)上皮細胞としてヒト腸管由来Caco-2を用い、各種ストレス因子が腸管上皮細胞に引き起こす炎症反応に対する食品因子の影響を調べた。炎症反応の誘導に関わるサイトカインIL-8の上皮細胞における産生に及ぼす食品因子の影響を調べた結果、有害微生物などによるToll様受容体(TLR)の刺激により誘導されるIL-8産生のうちTLRI,2,5を介したものがカルノシンのようなジペプチドによって、またTLR2,5,7を介したものが乳酸菌の代謝性産物である酪酸によって亢進すること、TLR3を介したものが両者によって抑制されることが見出され、菌体成分等のストレスに曝された腸管上皮における免疫応答を食品因子が制御することが示された。 (2)IBDモデルとしてすでに構築した「腸管上皮細胞(Caco-2)とマクロファージ様細胞(THP-1)の複合培養系」において、Caco-2細胞側の遺伝子発現変動をDNAマイクロアレイによって解析した。免疫やアポトーシスに関与する遺伝子の発現の上昇が確認され、最も発現量変動の大きいものとしてIEX-1を見出した。複合培養時のIEX-1mRNA発現には少なくともTHP-1細胞の産生するTNF-αが関与していることが示された。 (3)Caco-2細胞の培養上清を添加することで、マスト細胞RBL-2H3のTNF-α分泌量が変動することを示唆するデータが得られた。また、RBL-2H3細胞上の抗原抗体反応によって誘導されるTNF-αmRNA発現及び脱顆粒をnobiletin、hesperetin、tangeretinのようなメトキシフラボノイドが抑制するという結果を得た。腸管上皮下に存在するマスト細胞の炎症性サイトカィン発現や脱顆粒は上皮細胞や食品成分によって制御されていると考えられる。
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[Journal Article] In vitro analysis of the interaction between human intestinal epithelial cells and macrophage-like cells.
Author(s)
Ishimoto, Y., Satsu, H., Mochizuki, T., Totsuka, M., Shimizu, M.,
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Journal Title
Animal Cell Technology (in press)
Peer Reviewed
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