2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20248021
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 教授 (70092591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 雅人 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (80397075)
吉崎 悟朗 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (70281003)
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Keywords | 養殖 / バイオテクノロジー / 循環式飼育システム / 飼料 |
Research Abstract |
本研究は新しい養殖魚、すなわち動物性タンパク源を使用しないで成長可能な魚、の作出を図るとともに、その魚を用いた完全閉鎖系における養殖システムの構築を目指している。本年度は、栄養代謝が異なると予想されるタウリンの影響を海水魚と淡水魚で調べた。タウリンは魚粉には比較的多く含まれるが、植物性原料にはほとんど含まれていない特長を持つ。その結果、海水魚のヒラメと淡水魚のコイに低タウリン飼料を給餌したところ、ヒラメのタウリン蓄積はマイナスの値になったが、コイでは100%以上となり、コイでは魚粉に含まれるメチオニンからタウリンを合成していること、ヒラメは合成できず、そのため必須であることが明らかになった。なお、コイの種々の器官におけるシステイン硫酸脱炭酸酵素(CSD)およびシステアミンジオキシゲナーゼ(CAO)の活性を調べた結果、CSD活性は腎臓で、CAO活性は肝膵臓で高いことが明らかになった。一方、養殖可能なミニプラント構築を目指した循環式飼育システム構築の一環として、ティラピア仔稚魚に対する生のスピルリナを単用給餌した場合の閾値および有効藻類細胞密度の推定を行った。すなわち、異なる密度で^<14>Cをラベルした生のスピルリナ細胞を成長段階の異なるティラピア仔稚魚に単用給餌し、摂餌率、消化吸収率およびろ過率を算出した。その結果、各率ともティラピアの成長に伴い著しく増加したが、スピルリナの密度との関係は、いずれも40-60mg/Lの濃度で一定になる傾向を示した。また、窒素とリンの負荷を軽減する成長ホルモン遺伝子導入ティラピア(GHT)を作出し、野生魚(YT)との比較を行った。同じ体重まで飼育した魚の体組成を調べたところ、GHTはYTに比較してタンパク質の蓄積効率が高くなるとともに、窒素およびリンの負荷量もそれぞれ、50%および40%ほど軽減できることが明らかになった。
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Research Products
(11 results)