2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20248021
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 教授 (70092591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 雅人 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (80397075)
吉崎 悟朗 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (70281003)
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Keywords | 養殖 / バイオテクノロジー / 循環式飼育システム / 飼料 |
Research Abstract |
本研究は新しい養殖魚、すなわち動物性タンパク源を使用しないで成長可能な魚、の作出を図るとともに、その魚を用いた完全閉鎖系における養殖システムの構築を目指している。 本年度は、ティラピアを用いて、発生工学的手法による遺伝子導入個体の作出を目指すとともに、魚粉を削減した新しい飼料の作成を図った。さらに、藻類-魚類からなる最も単純な閉鎖生態系飼育システム構築に必要なデータの蓄積を行った。 まず、成長ホルモン遺伝子(GH)を導入した魚の成長や窒素およびリンの負荷量について調べた。その結果、対照の魚に比較して、GH導入魚は日間成長率が1.4倍となり、窒素を50%、リンを61%軽減できることが明らかになった。ただし、GH導入魚は筋肉の水分含量が増加するとともに、Ca:P比が低下するなど、栄養バランスが多少崩れていることが分かった。 次に、ティラピア稚魚の成長に対する甘薯および醤油粕添加飼料の有効性を調べた結果、小麦を甘薯で10-20%代替できること、醤油粕は独特の匂いを取り除くことができれば、養魚飼料原料として使用できることが分かった。 また、魚から排泄された糞や堆積物および飼育排水を藻類に利用させるため、どのような分解方法が最も効率的なのかについて検討した。その結果、マイクロウエーブを用いて、過酸化水素水を数種の濃度に調節して糞および堆積物を分解した。その結果、40mmolの過酸化水素水と10mmolの硫酸を混合した溶液を用いて分解することにより、種々のミネラルが可溶化されることが分かった。
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Research Products
(21 results)