2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20248021
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (70092591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古崎 悟朗 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (70281003)
遠藤 雅人 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (80397075)
|
Keywords | 養殖 / バイオテクノロジー / 循環式飼育システム / 飼料 |
Research Abstract |
本研究は新しい養殖魚、すなわち動物性タンパク源を使用しないで成長が可能な魚、の作出を図るとともに、その魚を用いた完全閉鎖系における養殖システムの構築を目指している。 本年度は、ティラピアを用いて、発生工学的手法による遺伝子導入個体の作出を目指すとともに、魚粉を削減した新たな飼料の作成を図った。一方、魚類の飼育システム構築においては、飼育機材の統合・調整を図り、魚類の飼育データ取得を行った。 ニベ受精卵への顕微注入法により、海産魚で初めて遺伝子導入系統の作出に成功した。さらに、本法を駆使して、脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子をニベに導入し、F1世代までの作出に成功した。これらF1個体では導入した鎖長延長酵素が作用し、ドコサヘキサエン酸含量が通常個体より有意に増加していることが明らかとなった。次に、EP飼料で飼育した成長ホルモン遺伝子(GH)導入ティラピアのミネラル摂取と蓄積について調べた。その結果、GH遺伝子導入魚が顕著に高い飼料効率(1.85g gain/g feed,非導入魚(1.16g gain/g feed)の約1.6倍)を示し、特にこの高い飼料タンパク質効率(3.3%,非導入魚(2.06%)の約1.6倍)が高成長に寄与することが判明した。 食品リサイクル原料を用いた養魚飼料の開発では開発飼料を給餌した際の環境への物質蓄積について調査した。その結果、複数種のリサイクル原料の混合および不足アミノ酸の添加により、物質排出が抑制され、環境負荷低減が可能であることが明らかとなった。 閉鎖循環式養殖を用いた環境制御による魚類の成長促進効果を検討する一環としてトラフグ種苗生産における低塩分飼育水の影響について調査した。その結果、50%海水での飼育がトラフグの成長および水質浄化において有効であることが示された。
|
Research Products
(26 results)