2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20248021
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
竹内 俊郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (70092591)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 悟朗 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (70281003)
遠藤 雅人 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (80397075)
|
Keywords | 養殖 / バイオテクノロジー / 循環式飼育システム / 飼料 |
Research Abstract |
本研究は新しい養殖魚、すなわち動物性タンパク源を使用しないで成長が可能な魚、の作出を図るとともに、その魚を用いた完全閉鎖系における養殖システムの構築を目指している。 昨年度F1個体の作出に成功した脂肪酸鎖長延長酵素遺伝子導入について、本年度大量生産に成功した。これらの個体では導入した鎖長延長酵素が作用し、精巣のドコサヘキサエン酸含量は通常個体の2.8倍に、眼球のそれは2.2倍にまで上昇した。さらに、上記酵素の直接の産物であるテトラコサペンタエン酸は通常個体では全く検出されなかったのに対し、遺伝子導入個体では肝臓を含む多くの組織で検出された。以上の結果より、本法を駆使することで、植物油で飼育できる海産魚の作出も夢ではないことが示唆された。 次に、市販EP飼料を用いた飼育の際に生じる、成長ホルモン遺伝子組み換えティラピア短躯症状の克服方法を模索するため、GH遺伝子組み換えティラピアの体形とミネラルの蓄積に対する飼料中カルシウム(Ca)とリン(P)含量の影響を調べた。これまでの研究結果を踏まえ、市販飼料をパウダー化してCa又はPの含量を配合調整し、再度ペレット加工して(無添加区(NS、市販飼料中Ca2.5%、P1.8%を含有する)、Ca添加区(CaS、飼料中Ca6.8%、P1.8%を含有する)、P添加区(PS、飼料中Ca2.5%、P4.8%を含有する)の3実験区を設け、長期間(210日間)の給餌試験を行った。CaS区とPS区の魚体中ミネラル含量が成長とともに増加すること、および対照的にNS区では低下したことも分かった。それはCaまたはP添加によりGHTi魚体中ミネラル蓄積が増加した結果と一致した。正常な体型を維持するためには、成長ホルモン遺伝子組み換えティラピアは非導入魚と比較してCaとPの要求量が高いことが示唆された。
|
Research Products
(22 results)