2011 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷・耐震性を考慮した薄肉パイプラインの限界状態設計法の確立と検証
Project/Area Number |
20248026
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河端 俊典 神戸大学, 農学研究科, 教授 (20335425)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 一徳 神戸大学, 農学研究科, 教授 (80111946)
井上 一哉 神戸大学, 農学研究科, 助教 (00362765)
毛利 栄征 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 領域長 (90373224)
有吉 充 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所, 研究員 (10414442)
|
Keywords | 地中構造物 / パイプライン / 構造力学 / 座屈 / 模型実験 / 応力変形 / ひずみ / 土圧 |
Research Abstract |
現行の農業用パイプラインの設計においては,環剛性が等しい管であれば管厚が異なる管であっても,理論上,同一の埋設挙動を示すものとされている.しかしながら,設計基準を満たす管であっても,管厚が薄い場合に座屈破壊などが発生する事例が報告されている.本年度は,同一環剛性を有する種々の埋設管に対して,アルミ棒を用いた単純せん断試験ならびに大型振動台実験を実施し、震時変形挙動特性の解明を行った.単純せん断試験機を用いた実験には,φ130のアルミ管ならびにナイロン管を用いた. また、振動台実験には,農村工学研究所所有の3次元振動台を使用した.実験土槽は幅1990mm×奥行1500mm×高さ970mmのせん断土槽を使用した.供試管は,鋼管,塩化ビニル管、高密度ポリエチレン管を使用した.入力波は2Hz正弦波とし,最大800galまで加震した.主な研究成果を以下に示す. (1)地盤のせん断変形によって管の斜め方向に卓越したひずみが発生することが明らかになった.また,繰返しのせん断によって管は徐々に縦長に変形していくが,その程度には管厚によって違いがある可能性が明らかになった. (2)斜め方向は,初期のせん断から大きなたわみが発生することから,強地震によって地盤に大きなせん断変形が作用した場合,斜め方向の部分が鉛直水平方向の部分よりも先に破壊する危険性が高いことが明らかになった. (3)管厚の薄い埋設管の斜め45°の位置において卓越した曲げひずみおよび軸応力が作用し,降伏破壊・座屈破壊の危険性が高くなる可能性が明らかになった. (4)また,コンクリート基礎を用いた際には,管底部付近で変形が抑制されるものの,管側部に応力集中が作用することが明らかになった.
|