2008 Fiscal Year Annual Research Report
放牧(食草・運動・エンリッチメント)がウシの快適性・免疫性・生産性に及ぼす影響
Project/Area Number |
20248028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 衆介 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80136796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高弘 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20111297)
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Keywords | ウシ / 放牧 / 快適性 / 睡眠 / 敵対行動 / コルチゾール / オキシトシン / 肉質 |
Research Abstract |
1. 実験システムの構築 : 乳牛群の2群管理システム(放牧群、舎飼群)、並びに肉用育成牛並びに肥育牛を供試できる個別給餌管理できる牛房飼育システムを構築した。これを使い、来年度、放牧の長期的効果を調査する。 2. 放牧が泌乳牛の快適性・免疫性・生産性に及ぼす影響 : 繋留搾乳牛の9農家群と20頭からなる1乳牛群を半日放牧、終日放牧および舎飼で飼育し、睡眠行動と敵対行動を比較した。快適状態及び不快状態の後行動は、睡眠行動及び敵対行動であることから、快・不快の指標としてこれらを調査した。睡眠行動の時間配分は、終日>半日=フリーストール>繋留舎飼の順で、敵対行動の頻度は、繋留(物理的に不可能)<終日<半日<フリーストールの順であった。後行動から、放牧の快適性が示唆された。 3. 繋牧が未経産牛の快適性・健康性・生産性に及ぼす影響 3頭からなる4群を、放牧条件及びZero-grazing条件で飼育した。各条件への接近速度は放牧条件で速く、放牧条件では血漿中オキシトシン濃度が高く、コルチゾール濃度は低かった。前行動及び完了相の行動・生理反応から、放牧の快適性が示唆された。 4. エンリッチメント処理が育成牛及び肥育牛の快適性・免疫性・生産性に及ぼす影響各10頭ずつの育成牛で調査したところ、エンリッチメント群では睡眠や摂食が長く、立位休息が短く、伏臥行動と親和行動が多い傾向にあった。18頭の肥育牛では、行動やストレスホルモンには差は見られなかったが、内臓廃棄率は低く、肉質評価は高くなった。
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Research Products
(7 results)