2009 Fiscal Year Annual Research Report
放牧(食草・運動・エンリッチメント)がウシの快適性・免疫性・生産性に及ぼす影響
Project/Area Number |
20248028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐藤 衆介 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (80136796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 高弘 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20111297)
二宮 茂 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (40508305)
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Keywords | ウシ / 快適性 / ブラッシング / 放牧 / 免疫グロブリン / 敵対行動 / オキシトシン / 睡眠 |
Research Abstract |
(1)長期にわたる放牧が泌乳牛の快適性・免疫性・生産性に及ぼす影響 22頭からなる搾乳牛群を、同数ずつ放牧群と舎飼群の2群に分けた。放牧群は5月より昼夜放牧で飼育し、舎飼群は運動場付きフリーストール牛舎で飼育した。睡眠行動の持続時間は、放牧群で一貫して多く、8月には有意に多かった。敵対行動の平均頻度は、放牧群で一貫して少なく、10月では有意に少なかった。また、いずれも有意ではないがオキシトシン濃度の平均値は、放牧区で一貫して高く、不快指標であるN/L比の平均値は一貫して低かった。さらに、放牧群では舎飼群にくらべて、平均IgG濃度とIgA濃度は一貫して高く、前者は8月に、後者は8、10月に有意に高かった。 (2)食草行動が快適性に及ぼす影響 食草行動は、喫食行動と探査行動からなる。ある程度拘束されたウシで、立毛の牧草給与(喫食)と刈取牧草給与下での快適性(血漿中のオキシトシンとコルチゾール濃度)の比較をおこなった。その結果、処理間での差はみられなかった。オキシトシンの分泌特性を勘案したサンプリング時間を検討するとともに、探査行動の重要性が示唆された。 (3)ブラッシング処理がウシの快適性に及ぼす影響 ヒトによるブラッシング処理(BR)が快適性へ及ぼす効果を明らかにした。BR中の心拍数は、馴致1回目に比べて10回目,4回目に比べて10回目で有意に低く、馴致10回目には腹に比べて頸のBRで有意に低かった。拘束により、血漿コルチゾル濃度は有意に高くなるが、頭と腰のBR後、拘束しても、血漿コルチゾル濃度は上昇しなかった。
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