2010 Fiscal Year Annual Research Report
化学進化的合成化学による医薬機能分子の汎用性ある効率的創製
Project/Area Number |
20249006
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
樋口 恒彦 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (50173159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 直樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (40347422)
加藤 信樹 名古屋市立大学, 大学院・薬学研究科, 助教 (50400221)
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Keywords | 化学平衡 / 動的コンビケム / ホスト-ゲスト / アルツハイマー病 / ペプチド / 創薬化学 / 抗マラリア / ヘム |
Research Abstract |
化学平衡を利用して標的分子に対して自動的・経時的に親和性化合物を構築する「化学進化的合成化学」の実証に関し以下のような研究成果を挙げた。 本年度は、β-アミロイドペプチド(Aβ)の配列のうち凝集に関与すると考えられている部分配列(pGFRHD、およびKLVFF)をアガロースゲルに共有結合させたアフィニティーカラムを調製し、それを標的として、開発したトリアルデヒド体をscaffold、10種類のヒドラジドは可変部位とした。平衡反応を行う溶媒条件を種々検討し、ヒドラゾンができるだけ途中で析出しないDMSOを共溶媒とする緩衝水溶液が適していることを明らかにし、平衡反応を行った。ゲルを緩衝液で洗浄後、部分配列を含む溶液で親和性分子の溶出を行った。HPLCにより複数のピークが得られ、それらの分取を行った。現在、その構造を決定している段階である。 また、scaffoldとして、より水溶性を高めた分子を、炭素炭素三重結合の三量化による一挙構築により合成に成功した。メトキシ基を3つ導入したものであり、水溶性は約40倍高まったことが明らかになった。 また、Aβ42のC末端の配列に対しての平衡反応での増加生成物と末端配列との親和性を評価するためにITC測定も行い、以前にNMRにおいて滴定によるピークのシフトより得られた結合定数に近い値が得られた。
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