2008 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質セラピー法による脳腫瘍治療技術の開発と機能実証
Project/Area Number |
20249009
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 秀樹 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Keywords | 蛋白質セラピー法 / 蛋白質導入 / 脳腫瘍 / ボロン剤 |
Research Abstract |
本研究は、我々が開発した新しいドラッグデリバリー(DDS)手段である蛋白質セラピー法を応用し、抗癌剤や癌抑制蛋白質を直接、あるいはバイオナノカプセル(BNC)に封入した形で脳腫瘍細胞に導入する治療法を開発することを目的とする。今年度の研究成果は、以下のとおりである。(1)抗EGF受容体抗体付加したBNCへの抗癌剤の封入…昨年度開発した抗受容体抗体を付加したBNCに抗癌剤のドキソルビシンを封入することに成功した。(2)脳腫瘍細胞に対する抗癌剤封入BNCの抗腫瘍効果の実証…(1)で作製した抗癌剤封入型BNCを脳腫瘍細胞の培地に添加し、増殖抑制効果について検討した。濃度依存的に細胞増殖抑制効果は認められたが、抗EGFR抗体付加したBNCと付加していないBNCでは細胞増殖抑制効果に差は認められなかった。(3)光学異性体型p53C末端ペプチドの開発…光学異性体型p53C末端ペプチドにポリアルギニンを付加すると癌細胞内に効率よく導入されることを確認した。しかし、このペプチドは、腫瘍細胞の増殖抑制効果を示さなかった。ポリアルギニンを付加した光学異性体型p53C末端ペプチドにさらにHA2ペプチドを付加したペプチドを開発し、その抗腫瘍効果について検討した。同ペプチドに腫瘍細胞増殖抑制効果ならびにアポトーシス誘導効果があることを突き止めた。(4)新規中性子補足療法の開発…ボロン化合物であるBSHは、細胞透過性を有さないため。中性子補足療法に用いるのは、細胞膜透過性を付加する必要がある。BSHに細胞透過性を持たせるため、BSHにポリアルギニンあるいはSV40の核移行シグナルペプチドを付加したBSH化合物を作製することに成功した。さらにこのBSH化合物が脳腫瘍細胞の細胞内導入されることを確認した。
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Research Products
(11 results)