2009 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質セラピー法による脳腫瘍治療技術の開発と機能実証
Project/Area Number |
20249009
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松井 秀樹 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (30157234)
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Keywords | 脳腫瘍 / 悪性グリオーマ / タンパク質セラピー法 / タンパク質導入 / 中性子捕捉療法 |
Research Abstract |
概要:脳腫瘍を標的化するボロン製剤の開発に成功した。本製剤はタンパク質セラピー法により脳腫瘍特異的にボロン剤を導入し、中性子捕捉療法を実施するためにきわめて重要なステップであり、新しい脳腫瘍治療の中心技術となるものである。 研究方法:ヒトバリアントIII型EGF受容体を昆虫細胞に発現させ,細胞膜成分を可溶化し,カラムクロマトグラフィー法にて組換え蛋白質を精製した。精製した蛋白質をマウスに注射し,4週後脾臓を摘出した。抗体産生細胞からハイブリドーマ細胞を作製し、ヒトバリアントIII型EGF受容体に対する抗体を産生しているハイブリドーマ細胞をクローン化した。このクローン細胞を大量培養し,抗体を精製した。精製した抗体にてU87ΔEGFR細胞ならびにU87WT細胞のSDS可溶画分を用いてウエスタンブローティングを行った。従来我々が開発したバイオナノカプセルのL-蛋白質を組換えZZ-Hisに置換した。この作製した中空リポソームと作製したヒトバリアントIII型EGF受容体抗体を反応させ,抗体が付加したイムノリポソームの作製を行った。 研究結果:ヒトバリアントIII型EGF受容体に対するモノクローナル抗体は,同受容体を発現しているU87ΔEGFR細胞ではウエスタンブローティング法で同受容体を認識したが,正常EGF受容体を発現しているU87WT細胞では,バンドが検出されなかった。ヒトバリアントIII型EGF受容体抗体を付加したイムノリポソーが得られた。考察:ヒトバリアントIII型EGF受容体を特異的に認識する抗体作製に成功した。この抗体は,腫瘍細胞にのみ強く発現しているバリアントIII型を認識するが,野生型EGF受容体は認識しないため,本抗体を付加したイムナリポソームは,脳腫瘍に標的化することが期待できる。
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Research Products
(8 results)