2009 Fiscal Year Annual Research Report
PTEN制御分子解析による脂質シグナル研究の新展開
Project/Area Number |
20249019
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鈴木 聡 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 教授 (10311565)
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Keywords | PTEN / PI3K / 膵ベータ細胞 / 肝臓 / 皮膚 / T細胞 / PICT1 / PBP1 |
Research Abstract |
(1) PTENの機能解析:膵臓β細胞特異的PTEN欠損マウスではβ細胞のサイズの増大やストレプトゾシン誘発性糖尿病抵抗性を示すもののβ細胞腫瘍は発症しないことを明らかにした。また肝臓特異的なPTEN欠損マウスにみられる非アルコール性脂肪性肝炎の発症には性差があること、およびその原因の可能性について言及した。さらに皮膚癌を呈するケラチノサイト特異的PTEN欠損マウスではFABP4の発現に最も差のあることを見出し、FABP4のがんの発症・進展に対する作用ついて考察した。またこのマウスでは皮膚上皮肥厚や有棘細胞癌の発症をみるためにPTEN/PI3Kgammaの二重欠損マウスを作製したところPTEN/PI3Kgammaダブル欠損によって有棘細胞癌の発症の有意な遅延をみることからPI3Kgammaが有棘細胞癌の発症に重要であることを見出し報告した。 (2) PICT1の機能解析:PICT1はPTENと結合してPTENを安定化させること、またPICT1はRPL11と結合してRPL11を核小体につなぎとめることによってp53の安定化を制御すること、またPICT1は個体発生やT細胞分化に必須であることを見出した。 (3) PBP1の機能解析:PBP1はPTENと結合してその脂質ホスファターゼ活性を亢進させ、またPI3K活性を転写レベルでも抑制することによって、PI3K/Aktシグナルを強く抑制することを見出している。
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