2008 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎における自然免疫の統合解析と新規免疫治療法の開発
Project/Area Number |
20249043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紀夫 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (00144478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70335355)
考藤 達哉 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (80372613)
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Keywords | C型肝炎 / 制御性T細胞 / 肝癌 / 自然免疫 / 獲得免疫 |
Research Abstract |
C型肝炎におけるウイルスの持続感染と発癌にはHCVや癌細胞に対する免疫応答の低下が関与している。HCVや癌に対する免疫細胞機能低下の機序を解明し、その制御法を開発することは肝病変の進展を抑止する上で有用な戦略になると考えられる。制御性T細胞は獲得免疫および自然免疫を負に制御する免疫担当細胞である。C型肝炎における制御性T細胞の意義について検討した。C型慢性肝炎患者(慢性肝炎、肝硬変、肝癌)と非感染者より採血し、末梢血中の制御性T細胞(CD4+CD25high FoXP3+)の頻度を比較検討した。高速ソーティング法により制御性T細胞を高純度で分取し、CD4+細胞反応性に対する制御機能を評価した。C型肝炎では、慢性肝炎、肝硬変、肝癌と病態が進展するにつれて制御性T細胞の頻度が増加した。肝癌患者では制御性T細胞の頻度はStage I/IIに比し、Stage III/IVで高く、臨床病期の進展と相関した。肝癌に対してTACEあるいはRFA治療を行うと、根治的な治療効果が得られた患者では、制御性T細胞の頻度が低下した。肝癌治療後に制御性T細胞の頻度が低下しても、その後に上昇した患者では、再発が観察された。C型肝炎では肝発癌と制御性T細胞の頻度が関連しており、制御性T細胞の増加による免疫の全般的な低下が発癌に関与していると考えられた。また肝癌治療効果の判定や再発予測のバイオマーカーとしても有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)