2009 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎における自然免疫の統合解析と新規免疫治療法の開発
Project/Area Number |
20249043
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 紀夫 Osaka University, 医学系研究科, 教授 (00144478)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70335355)
考藤 達哉 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (80372613)
望月 圭 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50467578)
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Keywords | 肝細胞癌 / 制御性T細胞 / C型肝炎 / 免疫 / Trl / 血小板 / 線維化 / ノックアウト |
Research Abstract |
C型肝炎におけるウイルスの持続感染と発癌にはHCVや癌細胞に対する免疫応答の低下が関与している。HCVや癌に対する免疫細胞機能の低下の機序を解明し、その制御法を開発することは肝病変の進展を抑止する上で有用な戦略になると考えられる。昨年度、末梢血中の制御性T細胞が肝疾患の進展に伴いその頻度が増加することを明らかにした。本年度は制御性T細胞の頻度の変化がTrlでより顕著であり、肝癌に対するRFAによる治療介入により低下することを見出した。低下したTrlが再度増加する症例では高率に再発がみられた。肝癌細胞と樹状細胞の混合培養によりnaive CD4T細胞からTrlが誘導されることが示された。この誘導にはサイトカインとともに細胞間の接着が必要であった。以上のような成績から、肝癌の存在下に制御性T細胞Trlは誘導され、免疫機能を全般に抑制的に働くことが考えられた。末梢血中のTrlの変動は肝癌の進展・再発のバイオマーカーとなる可能性があるとともに、その免疫抑制機能を介して肝癌の進展・再発に関与していることも示唆された。また、進展した肝疾患で特徴的にみられる血小板減少と肝線維化の関係を遺伝子改変マウスを用いて検討した。遺伝子改変により作成した血小板減少マウスでは胆汁欝耐性肝障害に基づく肝線維化が有意に増悪した。血小板現象は肝線維化の結果として発症するだけではなく、それ自身が肝線維化を促進することが示された。
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Research Products
(5 results)