2010 Fiscal Year Annual Research Report
C型肝炎における自然免疫の統合解析と新規免疫治療法の開発
Project/Area Number |
20249043
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
望月 圭 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (50467578)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹原 徹郎 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70335355)
考藤 達哉 大阪大学, 医学系研究科, 寄附講座准教授 (80372613)
|
Keywords | C型肝炎 / インターフェロン / T細胞 / HCV / 免疫 / ELISPOT |
Research Abstract |
C型肝炎におけるウイルスの持続感染と発癌にはHCVや癌細胞に対する免疫応答の低下が関与している。HCVや癌に対する免疫細胞機能の低下の機序を解明し、その制御法を開発することは肝病変の進展を抑止する上で有用な戦略になると考えられる。昨年度までに、末梢血中の制御性T細胞が肝疾患の進展に伴いその頻度が増加すること、制御性T細胞の頻度の変化がTr1でより顕著であり、肝癌に対するRFAによる治療介入により低下することを見出した。本年度はC型慢性肝炎に対するPEG-IFN/RBV治療におけるC型肝炎ウイルス(HCV)特異的細胞傷害性T細胞(CTL)免疫反応と治療効果の関連をIFN-γ ELISPOT法を用いて検討した。HCVコア蛋白由来ペプチドあるいはNS3蛋白由来ペプチド特異的CTLの頻度は、PEG-IFN/RBV治療前の患者群と健常成人群の間には差がなかった。患者群のHCVコア蛋白あるいはNS3蛋白由来ペプチド特異的CTLの頻度は、いずれもPEG-IFN/RBV治療開始後4週間で有意に上昇した。患者群をSVR群とnon-SVR群の2群に分けてHCVコア蛋白あるいはNS3蛋白由来ペプチド特異的CTLの頻度を比較すると、治療前のCTLの頻度は2群間に差はなかったが、SVR患者群においては、HCVコア蛋白あるいはNS3蛋白由来ペプチド特異的CTLの頻度は治療前に比して治療開始4週後に有意に増大していたが、non-SVR患者群では、治療開始後のCTL頻度の有意な増大は認められなかった。C型慢性肝炎におけるPEG-IFN/RBV治療では、治療開始後早期のHCV特異的CTLの誘導がHCVのウイルス排除に関与し、このことがPEG-IFN/RBV治療の治療効果に寄与する可能性があると考えられた。
|
Research Products
(1 results)