2010 Fiscal Year Annual Research Report
血管再生障害からみた糖尿病性心筋症の基礎解析と新規治療法の開発
Project/Area Number |
20249045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 理 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20309777)
坂東 泰子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (60452190)
前田 健吾 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (80456673)
柴田 玲 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (70343689)
竹下 享典 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70444403)
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Keywords | 再生医学 / 血管再生 / 糖尿病 / 心不全 / 細胞内シグナル / 蛋白分解酵素 |
Research Abstract |
糖尿病患者では、しばしば冠動脈の動脈硬化性病変が少ないにもかかわらず、心機能の低下した症例を見かける。このような症例では、心臓組織内の毛細血管密度の低下や心筋組織の線維化に代表される、「糖尿病性心筋障害」と呼ばれる病態が存在するが、その機序や診断法は未確立である。 本研究では、「糖尿病性心筋症」においては、血管新生能の低下のために十分な酸素と栄養が心筋細胞に伝達されずその結果心筋リモデリング・心機能不全が生じると仮説し、それを検証するとともに分子メカニズムを解析し新規治療法開発における意義を明らかにすることを試みた。 ストレプトゾトシン(STZ)誘発により糖尿病化したラットを作成し、心筋組織標本における心筋毛細血管密度・心筋細胞サイズ、血管新生関連分子であるアミノペプチダーゼのin situおよびin vitro活性の検出、免疫蛍光染色による心筋アミノペプチダーゼの局所発現の共焦点顕微鏡による観察、血管新生関連分子(SDF-1α、VEGF、Akt、eNOS)の活性変化に関する生化学的評価を行った。本研究から、高血糖状態による心筋毛細血管アミノペプチダーゼ活性亢進は、血管新生ケモカインSDF-1α分解を介して心筋毛細血管新生低下させる結果、心リモデリングを惹起する可能性が示唆され、心筋組織におけるアミノペプチダーゼ活性制御は糖尿病性心筋障害の新たな治療方法となる可能性が示唆された。
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Research Products
(9 results)