2010 Fiscal Year Annual Research Report
骨格系の制御システムと脂肪・血管制御系との連関およびその異常に基づく病態の解明
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20249050
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松本 俊夫 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (20157374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安倍 正博 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (80263812)
粟飯原 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (70372711)
藤中 雄一 徳島大学, 病院, 講師 (30432751)
遠藤 逸朗 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10432759)
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Keywords | 骨粗鬆症 / interleukin-11 / 多発性骨髄腫 / Wntシグナル / 糖尿病 / 動脈硬化 / アンドロゲン |
Research Abstract |
(1)力学的負荷による骨形成促進におけるIL-11の役割の解明:力学負荷はAP-1とSmad1/5との複合体形成を介してIL-11遺伝子の転写活性を促進し、IL-11はWntシグナルも活性化し骨芽細胞分化を促進することを見出した(PLoS ONE'10a)。更にIL-11欠損マウスの作成に成功し、骨形成低下に基づく骨密度低値を示すことを明らかにした。以上よりIL-11の骨形成における役割の重要性を示した。 (2)多発性骨髄腫の骨髄微小環境下での骨破壊・腫瘍進展に対する治療法の開発:成熟骨芽細胞は骨髄腫細胞の増殖を抑制するが、骨髄腫は骨芽細胞分化を抑制し自らに好適な骨髄微小環境を形成する。TGF-β阻害により骨芽細胞分化が促進され、骨髄腫の増殖および骨破壊病変の進展が抑制されることを、SCID-rab骨髄腫移植モデルを用いたin vivoでの検討により明らかにした(PLoS ONE'10b)。 (3)Wntシグナル系が骨芽細胞・脂肪細胞分化と脂肪蓄積・糖代謝に及ぼす影響:肥満者脂肪細胞で高発現する複数の因子をプロテオミクス解析により同定し、特にWntシグナル阻害因子sFRP-4に注目した。sFRP-4トランスジェニックマウスを作成し、高脂肪高蔗糖食負荷をかけたところ、インスリン抵抗性に基づく耐糖能の障害を呈することが明らかとなった。更にその詳細な機序について検討を進めている。 (4)血管閉塞後の血管新生反応におけるVEGF作用発現へのアンドロゲンの関与の解明:アンドロゲン受容体(AR)欠損マウスではdoxorubicin(Dox)による活性酸素産生を介する心筋障害の発症・増悪が対照群より強く認められることを見出した(Mol Endocrinol '10)。更に、大腿動脈結紮による下肢虚血モデルにおける血管新生もAR欠損マウスでは著明に抑制されていることが明らかとなった。しかもこれがARのnon-genomic作用に基づくVEGF受容体2型(Kdr)へのPI3KやSrcの結合促進を介するAktシグナルの促進によるeNOS活性の増大および抗アポトーシス作用に基づく可能性を明らかにした。
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Research Products
(28 results)